何が何でも“長屋”を手放したくない茂
その頃、優香は、彼女が今までに集めた“長屋ホールディングス”の不正の証拠を検察に提出。家宅捜索が入り、上場廃止の危機を迎えた“長屋”を、新率いる“RC”が買収しようとする。“長屋”を守るためにここまで卑怯な手も汚い手も使ってきた茂は、それだけは何としても阻止したい。投資家・田辺(倍賞美津子)に資金提供を頼み込むが「アンタが向き合わなきゃいけない相手は誰か、よーく考えるんだね」と断られてしまう。
茂は病身の体で“二代目みやべ”を訪れ、新はから揚げをふるまった。その味は、“長屋”の社員として茂に信頼されていた、新の父・信二の味だった。茂は、一口食べて一瞬昔を懐かしむ穏やかな表情を見せた。そして、「こんなうまい料理を食わせてもらったのに、カネを持ってこなかった。他のモノで払っていいか?」と言い、「許してくれ。すべて私の間違いだった。心から宮部部長とキミに…本当にひどいことをした」と泣きながら謝りだした。
「“長屋”を買収するのは復讐心からだけではない、いい会社だと思っているからだ」と新が言っても、謝罪は止まらず、「私から“長屋”を奪わないでくれ」と懇願し、土下座をしようとした。そんな茂に「今のあなたが土下座をしても何の価値も無い。これはビジネスなんです」と新は告げ、店を出た。残された茂は嗚咽するしかなかった。
“RC”は“長屋”を買収し、経営は“長屋”の元専務・相川(稲森いずみ)にまかせることにし、龍二はアメリカに行くことになった。行く前に最後に会いに来た龍二に、そっけない態度をとる葵だったが、別れる前に龍二をハグして、彼の想いは受け取れなかったけど充分伝わったこと、彼の気持ちを利用して悪かったこと、そして今までの感謝を伝えた。これで思い残すことなく、彼はアメリカに旅立った。
新、「愛してる」の大連呼
ある日の夜、屋上から六本木の街を見下ろしながら、新に改めて愛の告白をする葵。そして「私が幸せにしてあげますね」と言いながら、いつも新が彼女にしていた“頭ぽんぽん”を今日は彼女から。そんな彼女に応えて「愛してるよ。愛してる。ホンッットに愛してる」と連呼する新。
視聴者も微笑ましく見守り、コートで葵を包むようにハグすると「きゃー」とコメントが相次いでいた。
自分の店を始めた優香は、その報告をしに“二代目みやべ”に。優香が帰ろうとしたとき、葵が戻ってくる。「私、代表と付き合ってるんです」とマウントをとる葵に対して、「葵さんなら安心」と素直に認める優香。しかし「新のこと、大事にしてあげて」とどこか上からの優香に、葵が「言われなくてもわかってます」と強めに応じた。
“二代目みやべ”の仲間たちが楽しく酒を酌み交わす姿を見ながら、仲間の大切さを改めて感じる新。そのとき、亡き新の父・信二が目の前に現れて、彼に尋ねた。「どうだ。酒の味は?」。余韻を残し、「もうロスになりそう」「Tverでもう1周してくる!」「こんなにハマるなんて…」と、惜しむ声が沸き上がり、トレンドワード1位となり有終の美を飾った。
◆文=ザテレビジョンドラマ部