この曲の中では、僕にある『会いたい』という思いについて書きました
9/21にデジタル配信された「勿忘草」のような、美しいバラードも本作を彩るキーソングだ。離れている大切な誰かを想う、温かみと切なさが混在する繊細な歌詞の世界観に、柔らかく透明感のあるサウンドがぴったりと寄り添っている。
「この曲は、目に見えないけど循環しているものをイメージして書きました。僕は、スピリチュアルなものを全面的に信じているわけじゃないけど、それでも巡り巡っているものはあるなと思っていて。
以前、“ジョン・レノン・スーパーライブ”に出させていただいたとき、オノ・ヨーコさんが『例えば、あなたが小さな石を海に投げたとする。その小石が波を生んで、どこかの国に大きな津波を起こしたり、誰かの泳ぎを助けるさざ波になる。そうやってものごとは巡り巡っている』というようなことをおっしゃって。それがずっと心の中にありました」
米気象学者・ローレンツの、“ブラジルで蝶が羽ばたくと米テキサスで竜巻が起こるか”と講じたバタフライエフェクトではないが、一見、関係なさそうな事が知らず知らずのうちに自分へ大きな影響を及ぼしていることは、きっと誰にでも起こり得るだろう。
日常や世の中の些細な変化に人一倍敏感な、シンガー・ソングライターならなおのこと。そうしたわずかな異変を感じ取るあまり、心が疲弊してしまうこともあるようだ。そんなもやもやした胸の内に起こる負の感情も、誠実に打ち明けてくれた。
「僕はたまに、いろんなことが嫌になって、“生きていてもしょうがないんじゃないか”と思ってしまうことがあるんです。でも、そんなときに、今こうやって誰かと話をして声を出したり呼吸しただけで、それが巡り巡って誰かの求めるそよ風になったり、怒りを込めて発した声がどこかで暴風になったりするのかなと思う。そう信じられると、世の中が今までとは少し違った角度で見えて、面白いと思えるかな…と、そういうところから『勿忘草』は描き出しました。
あと、この曲の中では、僕にある『会いたい』という思いについて書きました。会いたいということが、必ずしも正しい時代じゃなくなってしまったと感じますし、ときには、『会いたい暴力』と言われることもありますよね。この数年は、距離について自分なりに考える時間は増えたと思うし、それを曲に落とし込みたいと思いました」
収録曲●あいのうた／STAND BY ME!!!!／HIGH FIVE／勿忘草／I LIVE YOU／forever girl／沈黙の合図／氷の世界／ever since／雪の筆跡／ピーナッツ／Piece
高橋優＝1983年12月26日生まれ、秋田県出身。2010年にメジャーデビュー。以降、CM曲、ドラマ主題歌なども手掛けるなど精力的に活動。2016年より自身主催の野外音楽フェス「秋田CARAVAN MUSIC FES」を地元秋田にて開催している。12/23（金）の神奈川・よこすか芸術劇場公演を皮切りに「高橋優 LIVE TOUR 2022-2023『ReLOVE & RePEACE ～ReUNION 前編～』」を開催する
公式HP
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