演じる上で意識するのは「つかめそうでつかめない感じ」
――本作のみどころは?
このドラマは、僕が演じる主人公・黒崎が、詐欺師をだます詐欺師“クロサギ”となって、世の中の詐欺師たちを成敗していく痛快な物語。
今の日本で実際に起こっている詐欺を取り上げているので、そこにも注目していただきたいです。僕自身もこのドラマを通して、詐欺は警察で立証するのが難しいという実態や、お金だけではなく被害者の人生も奪ってしまう許せない犯罪だということを改めて実感させられました。
そんな詐欺師たちを黒崎がだまし返していく姿は、見ていてスカッとすると思いますし、複雑に絡み合う人間ドラマもみどころになっています。
――今回演じている黒崎の役どころについて教えてください。
父親が詐欺被害に遭ったことで家族を失い、クロサギとして生きることを決めた黒崎は、21歳ながらに壮絶な運命を背負って生きている青年です。
演じる上では、憎しみや悲しみをベースに置きながらも、黒崎が抱える闇の部分をあまり表に出し過ぎるのではなく、一見普通の青年に見えるように意識しています。そんな中で、心の内を見せない黒崎のつかめそうでつかめない感じを表現できたらと思っています。
クロサギとして詐欺師に喰らいついていく姿だけでなく、辛い過去を背負った黒崎がさまざまな人との関わりの中で、人間として変容していく姿にも注目していただきたいです。
“攻防戦”で大事なのは「押し引きのバランス」
――毎回のみどころとなるシロサギとの攻防戦。演じる上で意識していることは?
シロサギも詐欺師なので、“だます”というスタンスを持っている相手に詐欺を仕掛けるのは、とても難しいなと思います。会話など押し引きのバランスが大事になってくるので、そこのあんばいは監督とも相談しながら演じています。
また詐欺を仕掛けるために毎回さまざまな人物に変装するのですが、キャラクターによってテンションや口調も違うので、演じ分けるのもすごく大変です。専門用語や時には英語も出てきたり、セリフも難しくて。ただ毎回いろんな表情の黒崎が見られますので、変装シーンも楽しみにしていただけたらと思います。
ドラマの中では、詐欺師のどういう言葉に気を取られ、どこで気を許してしまうのか…という一連のやり取りも描かれるので、そういった部分は見ている方のためにもなったらいいなと思っています。