平野紫耀の演技に目を見張る、“クロサギ”誕生の経緯
本話では“クロサギ”が誕生する経緯も描かれた。
天野の件は、同じくアパートの住人である氷柱が初めに知ったことだった。検事を目指すほどに正義感の強い氷柱は、黒崎に「お金が戻ってくるからって、何をしたっていいわけじゃない」と詰め寄った。だが、黒崎は「金で死ぬ人間がいるのに?」と返した。その言葉の裏には、詐欺で命を落とした家族のことがあった。
かつて御木本(坂東彌十郎)に父がだまされ、一家心中に巻き込まれるも生き残った黒崎。その詐欺の“設計図”を描いた桂木を敵として包丁を向けるも、桂木の腹心・かの子(中村ゆり)に取り押さえられていた。その後、御木本を打倒すべく、桂木に「この世界で生きたい。詐欺師になりたい。だから…俺に詐欺を教えてくれ」と土下座して頼んだのだった。
第1話から平野の演技が称賛を集めているが、本話でもいかんなく発揮。特に目の演技に引き込まれる。氷柱との場面では、瞳にひときわ暗い影を宿していた。また、桂木に土下座する場面では悲壮な決意をにじませていた。
黒崎の師になることを頼まれたとき、「最後は俺なんだろ?」と問い掛けていた桂木。黒崎は壮絶な覚悟を持ち、とてつもなく大きなものに立ち向かっていることが改めて明かされた。氷柱の父・辰樹(船越英一郎)は真意を知らないが、黒崎の詐欺が金儲けのためだけではないと感じ取っており、「君はまだまだ大人に甘えていい年齢だよ」という言葉が悲しく響いた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
Universal Music
発売日: 2022/11/09