「スター・ウォーズ」シリーズのオリジナルドラマ第4弾「キャシアン・アンドー」。2016年に公開された「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」に登場する、情報将校のキャシアン・アンドー(ディエゴ・ルナ/日本語版の声:加瀬康之)が主人公で、「ローグ・ワン」の5年前を舞台に、帝国軍が銀河を支配する暗黒の時代の中で反乱軍が生まれる軌跡が描かれている。
9月21日に第1話から3話までまとめて配信されて以来、毎週水曜に1話ずつディズニープラスにて独占配信されている今作。11月2日配信の第9話では、逃亡先の避暑地で犯罪者の一味と勘違いされ、6年の刑期を言い渡されたキャシアンが強制労働施設で過酷な真実を知る。一方、惑星アルダーニでの反乱分子による帝国基地強盗事件を捜査する帝国保安局のデドラ(デニース・ゴフ)は、首謀者と思われる謎の男、通称=アクシス(主軸という意味)の正体に一歩ずつ迫っていた。(以下、ネタバレを含みます)
着実にキャシアンに迫る優秀な監査官・デドラ
第9話で理不尽にも強制労働施設「ナーキーナ・ファイブ」に送られたキャシアンは、まるでロボットのように毎日同じ部品を作り続けさせられていた。だが、キャシアンがそんな状況に陥っているとは知らない帝国保安局の捜査官/監査官のデボラは、反乱分子を率いるアクシス(ルーセン・レイエルのことだが、彼女らは名前も正体も知らないのでこう呼んでいる)につながる重要人物として、盗品である帝国の機器を転売していたキャシアンを捜していた。
デボラは相当に優秀な人物らしく、フィリックスでキャシアンとルーセンを引き合わせたビックスに行きつき、彼女から情報を得ようとしていた。その際、デボラは今まで見せたことのない恐ろしい表情を見せる。「無駄な時間が嫌いだ」と言いながら、拷問音声を聞かせてビックス(アドリア・アルホナ)を精神から破壊しようとしたのだ。結果、ビックスはすさまじい音声に耐えきれず、キャシアンについての情報を吐いてしまう。
メキメキと局内でのポジションがアップしていくデドラの前に、あの男が現れる。デボラは、第8話でキャシアンを逃した元捜査官のシリル・カーン(カイル・ソーラー)に当時の話を聞くために尋問をしたが、それを会話と捉えたシリルは“キャシアンは危険人物”という同じ考えを持つ者としてデボラに会いにきたのだ。
しかも会えるまでに1カ月もの間、待ち伏せしていたらしく、デドラは鼻に皺を寄せて嫌悪感をあらわにする。だが、シリルはそれに気付かず、先にキャシアンに目をつけていた自分に酔うように話を続け、余計にデドラの怒りを買う。最終的に「今度、現れたら、外縁部の監獄に送ってやる」と言われるが、デドラを自分より地位の高い人物と見なしていないらしいシリルは、今後も何かしでかしそうだ。
キャシアンが収監された強制労働施設の“真実”
一方、ナーキーナ・ファイブのキャシアンも何もしていないわけではなかった。体制に反発する人々と連帯し、脱出するための準備を進めていた。だが、刑期の終わりが見えてきている監督役の囚人キノ・ロイ(アンディ・サーキス)は、キャシアンらの行動をよく思わず、彼らを目の敵にしていた。
そんなある日、別の階で暴動が起きる。うわさによると100人全員が皆殺しにされたらしいが、真相は藪のなか。だが、仲間が倒れた際に医務員の囚人から「4階で釈放された男が、翌日2階に送られた」ことを聞く。それはつまり、刑期を全うしてもナーキーナ・ファイブからは出られないということを意味する。それを知ったキノ・ロイは、看守の人数など、施設の情報をキャシアンに話し始める。
今後はキャシアンらの脱獄計画が本格的に動き出していくと思われるが、帝国保安局での会議でマヤ・ペイ、アント・クリーガーなど、さまざまな革命家や活動家の名前が出てきていたので、反乱分子たちの動きにも注目したい。そして、キャシアンを追うデドラと、そのキャシアンに執着するシリルがどんな関係になっていくのかも気になるところだ。
「キャシアン・アンドー」シーズン1は、全12話になることが発表されている。エンディングへの入り口といえる第10話では、どんな展開が描かれるのか。
◆文=及川静
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/star-wars-andor/
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