――漫画と小説では、どちらが脚本化するのが難しいですか?
演出、演じる方の方たちは漫画の絵というビジュアルがある分、難しくもあり、やりやすくもあると思うんですけど、脚本の場合はどちらも文字を元にするので、大きくは変わりないです。
漫画の場合はセリフがふきだしになっているんですが、生身の人間がしゃべる映像作品だと、ふきだしをそのまま書くとかなり違和感が出る。なのでそのまま書くことはできません。
小説の場合も、作品によりますが、セリフというより地の分に近いため、そのまま書くことができない。つまりどちらが簡単というより、どっちも難しいです。なので小説、漫画ともにどちらもリスペクトしつつ、映像作品としてよりよいモノになるよう努力しています。
――今後、どのようなテーマの作品の脚本にチャレンジ、世に送り出してみたいですか?
だんだん、やるものが(自分の考え方に)近づいてきたというか、やっぱり人が生きている日常生活の中で起こるささやかな事件をちゃんと描いていきたいですね。
それは「ハコヅメ」にしても「正直不動産」にしても「祈りのカルテ」もそうなんですけど、お仕事ものというジャンルというよりは、そこで人が生きている日常、そこで起こりうる小さな事件、はたから見たら小さい事件なんだけど、当人にとってみたらすごく大きな問題って数え切れないぐらい日常で起きているので、それをしっかりと描いていきたいです。
――ご自身の年齢であったり、経験も作品作りに影響している?
それはあるかもしれないですね。なんか昔はタイムリープとか、入れ代わりとか派手なSFチック、ファンタジックな設定が好きでした。やり尽くされているていうのもあるんですけど、それよりささやかなモノが好きですね。とか言いつつ、次、とんでもないファンタジー書いてたらすみません!
――ずばり得意なジャンルはなんでしょう?
よく聞かれるんですけど、毎回違うじゃないか、主義がないのかとか言われるんです(笑)。どれも好きなんですけど、やっぱり笑いのあるヒューマンなものが好きなんですよね。
人間が持つおかしみとか悲しみとか、切なさっていうのは笑いに通じると思っていて。そこにミステリーとかサスペンスというのが付いて、それらを含めてヒューマンなもの、人間を描ければと思っています。
――最後に脚本家ならではの視点で今後の見どころを教えてください。
諏訪野良太先生を含め研修医たちがどの科に進むのかというのが一つのテーマ。人の進路、未来を皆さんで見守ってほしいです。
あとは毎回豪華なゲストの方が出演されていて、彼らが抱えている悩みっていうのが苦しい、余命幾ばくもないっていう話ではなく、本当にささやかな病気になったことで分かる改めて感じることを描こうとしています。本当に他人事ではない、遠い話ではない身近な話なんだよなって思って見ていただけるとうれしいですね。