コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、幼少期のトラウマを抱える“笑えない”女性が、恋人の支えによって笑い方を知っていく姿を感動的に描いた作品『Shutter』をピックアップ。作者のSnow Drop@さんが10月27日にこの作品をTwitterに投稿したところ、7.3万以上(11月25日現在)の「いいね」が寄せられ大反響を呼んだ。この記事では、Snow Drop@さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについてを語ってもらった。
トラウマを抱く女性が悩み、葛藤しながらも“笑顔”を取り戻すまでを繊細に描く感動作
大学生のユウは、幼少期に母親から受けた虐待がトラウマとなり、日々の生活の中でうまく笑うことができずに悩んでいた。ある日、授業で一緒になった榎本徹から告白され、恋人として付き合うことを受け入れるユウ。友達と笑顔で会話している徹の姿をたびたび見かけていたユウは、徹に「笑い方を教えてほしい」とお願いをする。
写真撮影が趣味の徹は、デートをするたびにユウの表情を撮影することに。しかし、どんな楽しいところに出かけても1回も笑うことができず、感情表現がうまくできないユウは、徹に対する“好き”という感情も自分自身の言葉で言い表せないでいた。幼少期の出来事がフラッシュバックして怯えるユウに、「笑えないのではなく、笑っている自分に気づけていないだけ」と優しく向き合う徹。思いもよらない言葉に心を動かされたユウだったが、その後、徹は突然の病に倒れ入院してしまう。
徹の母親から電話を受けて病室を訪れたユウは、徹から託されたという一冊のノートを母親から受け取る。そこには、これまで2人で訪れた場所や徹が撮影した写真の数々が日記とともに記録されていた。自分の写真が貼られていることに戸惑うユウだったが、読み進めていると「ついに僕の夢がかなった」という徹の言葉とともに、ある一枚の写真が添えられていて…。
“笑えない”と思い込む女性が、恋人との出会いをきっかけに笑い方を知っていく姿を繊細に描いた本作。Twitter上では「泣きながら読みました」「めっちゃいい話」「とても儚く、美しい」「心打たれる作品」「登場人物の表情全てが素敵」などのコメントが相次いだ。また、「昔親に似たようなこと言われた」「自分に重なって苦しくなった」「私もこんな素敵な人に会いたい」など、共感のコメントも寄せられ注目を集めている。
“目線”で人物の感情を描き分ける 作者・Snow Drop@さんが語る創作の裏側
――『Shutter』を創作したきっかけや理由があれば教えてください。
現在スマートフォンが普及したことで、写真を撮る機会がかなり増えたと思います。私も写真はよく撮るのですが、他の人に撮ってもらった写真を眺めた時に「あれ?私ってこんな表情しているんだ」と新しい自分を発見することがよくあります。これを題材にして漫画を描いてみようと思ったことがきっかけです。
――本作では、幼少期のトラウマから“自分は笑えていない”と思い込むユウが、徹に出会うことで心情にゆっくりと変化が訪れる様子が印象的でした。ユウや徹のキャラクターはどのように生み出されたのでしょうか?
話の大まかな流れを考えた後、話に合わせて自然にキャラクターが形作られた感じです。そのため、2人ともキャラクターデザインはネームを描く際に作成しました。
――本作では、葛藤する表情から泣き顔、ラストに見せる穏やかな笑顔まで、様々な感情が溢れるユウの表情がシーンごとに繊細に描き分けられています。Snow Drop@さんにとって作画の際のこだわりや、意識している点はありますか?
色々意識していることはあるので全てあげることはできなくて申し訳ないですが、特に表情について申し上げると、顔のパーツそれぞれの形や描き込み具合などでしょうか。あとは目線です。感情は表情だけではなく目線にも出ると考えているので、目をそらしているのか、合わせているのか、どこを向いているのかも是非確認してみてください。
――『Shutter』の中で、Snow Drop@さんが特に思い入れのあるシーンやセリフがあれば、教えてください。
シーンで言えば、目のアップや表情のアップは描き込みが楽しかったので気に入っています。また、描き込みを増やしているところは印象的にしたいシーンだったりします。この漫画を読んでくださった方々の印象にも残ってくださっていると幸いです。
――今後の展望や目標を教えてください。
まだ描きたい事はたくさんあるので、これからもどんどん漫画を描いていけたらなと考えております。漫画を描く技術も更に上げていきたいです。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
作品をご覧になっていただきありがとうございます。作品への反応やご感想なども大変ありがたいです。これからも漫画を描いていこうと考えておりますので、お時間がある際にまた漫画をご覧になっていただけると幸いです。
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