心臓移植を拒む圭吾。だがそれは、「僕より大変な子がいて、その子からもらうんでしょ?それに早く子どもが死んじゃいますようにってお願いするみたいだ。かわいそうだよ」という圭吾の優しさが故の苦しみだった。
武四郎は、圭吾が行けなかった“修学旅行”を提案。東京の名所になぞらえ、バスで札幌市内をめぐる体験を贈るという“治療”を行った。同級生たちからのエールもあって、圭吾は「心臓をくれる子の分も長く生きたい」と前を向いた。武四郎の枠にはまらない“治療”が、患者である子供たちの心も変えていく。涙の先に希望を灯す物語だ。
「何回失敗しても、またやり直そう」
「アトムの童」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)は、天才ゲーム開発者・安積那由他(山﨑賢人)が自分から全てを奪った巨大資本の企業に立ち向かっていく熱いサクセスストーリー。那由他たちのゲーム開発と、昔ながらのおもちゃメーカー「アトム玩具」に息づく“ものづくり精神”が互いを補い合い、ピンチをチャンスに変えていく。
大企業に立ち向かう零細企業がつねにそうであるように、絶体絶命のピンチが次々と那由他たちを襲う。11月13日放送の第5話では、那由他たちの開発する新ゲーム「アトムワールド」が、巨大企業SAGASの妨害により配信先を見つけられない事態に陥った。
自社サイトのみでのプロモーションで気づいてくれるユーザーは少なく、ダウンロードは100程度。苦悩する那由他たちを救ったのは、繁雄(風間杜夫)が販促用に黙々と作っていたゲームキャラのフィギュアだった。
心を込めたものづくりは、それを手にした人間の心を打つ。フィギュアはSNSでバズり、那由他たちはそれをうまく利用した作戦を展開。狙い通り「アトムワールド」は拡散され、100万ダウンロードを達成するという大逆転を成し遂げた。
11月20日(日)放送の第6話からは、物語は新章へ。SAGASに買収されすべてを失ったアトム社員たちが、不撓不屈の精神で立ちあがる。
「何回失敗しても、またやり直そう」という那由他の信念が、仲間を引っ張っていく。信じる心の尊さに涙し、ピンチをチャンスに変えていく展開にスカッとすること請け合いのサクセスストーリーだ。
いずれも、今後のストーリーから目が離せない良作ぞろい。秋の夜長に、泣けて勇気をもらえる作品たちに浸ってみてはいかがだろうか。(文=ザテレビジョンドラマ部)
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発売日: 2022/02/18