「お金がない」からのスタート
さて、番組名の「バッチこーい!」は野球用語だが、野球らしい企画はほとんど行われていない。“バッチ”はチーム8の“ハチ”と“千葉”に掛けたもので、「チーム8の所に来て」「千葉に来て」という思いが込められている。スタジオのセットが球場風、メンバーの衣装が野球ユニホーム風なことも、番組タイトルに合わせたものだと思われていた。
しかし、最後の収録を終えた後のプロデューサーあいさつで、出演者に真実が伝えられる。
番組立ち上げが決まった際、「セットを作るお金がない」ということから始まり、「セットが作れないからお客さんを入れよう」と決まる。通常、番組観覧のお客さんは出演者の前にいるが、「バッチこーい!」ではお客さんに“セット”になってもらうため、客席は出演者の背後に設置された。そこに、ホームベースとバッターボックスを配置し、客席がファンで埋まると球場のバックネット裏のような景色に。
また、野球のヒーローインタビューで見られるバックパネルを客席の両サイドに置いた。このチバテレのロゴが入ったバックパネルはイベントで使うために作られたものだが、番組内では「48秒のヒーローインタビュー」(その日活躍したメンバーへインタビューするコーナー)で使用。すべてが“野球”で固められる。
さらに、初回放送、最終回の放送では、メンバーが全国高等学校野球選手権大会のようにプラカードを持って入場行進。これも、チーム8のメンバーが各県代表として活動していることで見事にハマった。
ほか、豪華な椅子が必要となれば上の階の応接室からソファーを運んでくるなど、チバテレのさまざまな備品を収録で使用。手作り感のある温かい番組が制作されてきたのは、スタッフのアイデアと愛情によるもの。ローカル局で番組予算がないのはよくある話だが、同番組ではそれを逆手に取ったのである。
終了ではなく休止
5年3カ月と、AKB48の地上波冠番組としては長く続いた同番組。視聴率低迷などで終わるわけではなく、前述したように“休止”。出演者、スタッフは、チーム8が存在する限り「いつか番組も再開を」という思いを持っている。
12月8日の放送で、鈴木が「最後なのに二人(小栗、小田)いないって何だよ!」と、スケジュールの都合で全員そろわなかったことで笑いを誘った。実は2021年12月の放送を最後に、レギュラー出演者全員がそろうことはなかった。これもメンバーたちがさまざまなところで活躍しているためではあるが、「いつか再開を」が実現し、再び出演者全員がそろってチバテレのスタジオに立つ日を待ちたい。
※高橋彩音の高は正しくは「はしご高」
2017年10月8日~2022年12月18日
チバテレで放送
MC=吉川七瀬、鈴木拓
出演=岡部麟、本田仁美、清水麻璃亜、髙橋彩音、小栗有以、小田えりな、左伴彩佳
HP=http://www.chiba-tv.com/program/detail/1068