福士蒼汰演じる万里小路有功は「家光にとってかけがえのない存在」
ーー家光は福士蒼汰さん演じる公家出身の美しい僧・万里小路有功と心を通わせて行きます。有功をどのような人物だと捉えていらっしゃいますか?
私から見て有功は、完璧に見えるけれど彼自身も弱さを持ち合わせている人であり、美青年であり、家光を優しく包み込んでくれる人。家光にとってかけがえのない存在です。
完璧な人に見えますが、有功にも家光との関係や大奥に来た理由など、いろいろな背景があります。家光と一緒で、表面上だけではわからない何かを持ち合わせた人だと思います。人間誰しもそうだと思いますが、そういった“弱さ”のような部分も作中に出てくるので、そこは私も家光として一緒に表現できたらいいなと思っています。
ーー福士さんとの収録中のエピソードを教えてください。
家光編が始まる2話には、家光が扇子で有功の顔を何度も叩いてしまうという2人の出会いのシーンがあるのですが、家光の初登場のシーンとして、彼女の人となりを表現する必要があったこともあり、悩んでいたんです。
何度も有功の顔を叩かないといけないのですが、ずっと叩いていても怖く見えなかったり、流れが一緒になってしまったり...。
しかも本番1回目で、涙を流してしまって。家光の心情には合っていたと思うのですが、彼女は心で泣いていたとしても顔に出さない人であり、泣いてはいけないシーンなので「どうしよう、心で思っていることとちぐはぐなことをやっていかないといけないから難しいな」と思っていたのですが、監督と相談している時に、福士さんも常に横に来てくださって。
「こういうふうにやってみたらどう?」「有功のことをもっと適当な扱いをするように見て、叩くときにちょっと強弱をつけた方がいいかもしれないね」などと優しく助け舟を出してくださって。それも全く押し付けのようではなく、「真由ちゃんの中でやりやすいポイントを探してみたらどう?」と。本当に一緒に作品を作っていけてよかったなというふうに思います。
ーー斉藤由貴さん演じる春日局と関わるシーンも多いですが、斉藤さんとご共演されていかがでしたか?
春日局は大奥を仕切っている役どころなのですが、とあるシーンで「わかっておろうな」というセリフがあって。このセリフは声を張り上げて言われるのかな? と思っていたら、収録では淡々と言われていて、怖い、本当の春日局だ...! と感じました。
実際の斎藤さんはとても優しくて、先日の収録の合間でも卵かけご飯の話をされていたりとチャーミングでかわいらしい方なんです。でも役に入られると急にスイッチが入って、本当に春日局がそこにいるという感じです。ご一緒させていただけて本当にうれしいです。
小笹 博美
kozasa hiromi