馬場ふみかが主演を務める、ドラマチューズ！「夫を社会的に抹殺する5つの方法」(毎週火曜夜0:30-1:00ほか、テレビ東京ほか)の第2話が、1月17日(火)に放送される。
同作は、三田たたみによる同名作を原作に、夫からDVやモラハラを受けてきた主人公が、謎の手紙の指示に従い夫を社会的に制裁する中で人生を見つめ直す姿を描く物語。主人公の奥田茜役を馬場が、夫の奥田大輔役を野村周平が演じている。
WEBザテレビジョンでは、同ドラマのプロデューサーを務める倉地雄大氏にインタビューを実施。ドラマを制作する上でこだわった点や、キャスト陣の魅力などを聞いた。
「日頃皆さんの周りで起きていることとして捉えられるように」
――モラハラやDVといった題材を扱おうと思った理由についてお聞かせください。
まずは単純に、原作が面白かったというのがあります。また、いま世間的にも話題になっている“社会的制裁”を、女性の復讐(ふくしゅう)劇という切り口で描いているのが新しいと思いました。誰もが気にしなくてはいけない大切な問題を、一人の女性の復讐劇に落とし込んでみんなで考えるということが、すごく大切なのではないかと。
モラハラ・DVというとすごく現代っぽい気がしてしまいますが、身近なところでいういじめや言葉の暴力も含めて、皆さんがこのドラマを見て何を思うかというのを見てみたいなと思いました。
――今後、茜の復讐以外にも、いくつかの社会問題が描かれていくのでしょうか？
いくつか入れ込んでいます。もちろん物語としては復讐劇にフォーカスを当てていますが、そこに寄り過ぎないで、日頃皆さんの周りで起きていることとして捉えられるように届けたいと思っています。
単純に今回の茜のように仕返しをして終わりかというと、そういう問題ではないというか。死を迎えるまで人生は続いていく。このドラマではその後の人生まで焦点を当てて描いています。
直接的な表現はせず、芝居で伝えることに注力
――映像化する上で特に気を付けたことはありますか？
まずこの原作を上村奈帆監督に読んでもらって、「一緒にやりませんか」とご相談させていただいたときに、「流産やDVなどを含めて、内容が内容だけに、ちゃんといろいろと考えてやりたいです」と言っていただきました。
そういう意味ではセンシティブな題材なので、わりと全てにおいて気を付けていますが、第1話でいうと、実際に苦しんでいる方もいるという意味でも、モラハラ・DV、流産の描写には特に気を付けています。上村監督や進藤丈広監督、プロデューサーの櫻田惇平さんをはじめとした皆さんと議論を重ねて撮影に挑んでいます。
十分ショッキングだったかもしれませんが、モラハラ・DVなどの暴力的描写はできる限り直接的な表現はせず、お芝居で視聴者に伝えました。その結果、ここに至るまでの茜と大輔のずれや歪みといった余白を、上村監督が表現してくれた気がします。
長年積み重なった怒りと鬱憤(うっぷん)ができる限り匂うように、かつそれがリアリティーを持って表現できたのではと思っています。
――原作者・三田たたみさんも女性ですが、制作する中で、女性との視点の違いを感じることはありましたか？
そうですね。例えば、第1話の、岡本夏美さん演じる後輩・早苗がワインを持ってきて茜の前で飲むシーンでは、脚本を作っている過程で、そもそも茜は妊活をどのくらいの真剣度でやっているのかという話になりました。
この日が排卵日で、この日はこれを食べて…とか、日頃から食生活にまで気を使っていたらお酒は飲まないだろう、とか。僕自身結婚もしたことなく子供もいないので、ハッとしたことも多かったです。
また、第1話の流産をしてしまうシーンなのですが、そこをどの程度描くかというのも、上村監督がすごくリアリティーを調べ、いろいろと考えて撮ってくださっていて、男とか女とかと性別で一概に区切りたくはないですが、僕では気付かない部分でいろいろと助けていただいています。
