有功は家光の壮絶な過去を知る
姿の見えなかった若紫が死体となって御中臈の角南重郷(田中幸太朗)の部屋の前で見つかる。重郷が若紫を殺したと思った家光は激昂して重郷を斬りつけようとするが、有功がそれを制す。有功は若紫を弔い、家光を諭した。
有功は正勝(眞島秀和)から家光の過去を聞く。死去した父・家光が行きすがりの女性をてごめにしてできた子どもであり、父・家光が死去した際に春日局(斉藤由貴)の計略によって無理矢理男性の身なりをさせられて上様に仕立てられ、大奥から抜け出そうとしたときに事情を知らない者に乱暴されたという壮絶なものだった。それから家光は居丈高になり、人を傷つけるようになったのだった。有功は家光の事情を知って涙を浮かべる。
家光は御中臈に女性の身なりをさせて舞を舞わせる遊びに興じているところに、女性の身なりをした有功が現れる。下がれと言われても家光に歩み寄り、家光と有功を詠んだ歌を差し出す。有功の身なりを似合わないという家光に同意し、装束を家光に優しく着せる。「上様のほうがよほどお似合いにございます。千恵様」と女名を呼んで有功に語りかけられ、家光は涙を流す。家光は声を上げて泣き、有功に抱きついた。
一年後、褥をともにし、睦まじく過ごす家光と有功。しかし、春日局は有功に「この月をもって上様のお褥よりお下がりいただきたい」と言い渡すのだった。
傷ついた者同士である家光と有功が身を寄せ合う姿に胸が締め付けられる。二人が仲睦まじい様子にほっこりと胸がやわらぐが、この後に待ち受ける展開から、またも目が離せないと思わせる今話となった。Twitterでも公式ハッシュタグの「#大奥リアタイ」がトレンド入りを果たした。
◆構成・文=牧島史佳
松竹