ドリアン「これをやっているときの自分は好きって思えるか?っていうアンテナはいつも磨いていたい」
――ところで、唐突ですが、おふたりは悩みや迷いや葛藤ってありますか?
ドリアン:私はあります。私は一生迷ってますよ。何に?ってことではなく、とにかくいろんな迷いは常にあります。でも、そんな中で自分が大事にしているのは、自分がどっちをやったら楽しいだろう?どっちがやりたいかな?っていう感覚を大事にしていて。自分がこれをしているときはドキドキしている、とか、ワクワクしている、とか、これをやっているときの自分は好きって思えるか?っていうアンテナはいつも磨いていたいなって思ってます。すばるさんは、迷われたりしますか?
渋谷:迷いか…。迷うかなぁ…。
ドリアン:あんまり迷わないですか?
渋谷:そうですね。もちろん、日々、“どっちがいいかなぁ?”って思うことはたくさんありますよ。何か一つのことを決めるときも、“どっちがいいかなぁ?”って思うし。でも、いろんなものを見たり、周りの人の意見を聞いたりして、“なるほど、たしかに、こっちの方がいいね”って感じたら、そっちを選択するし。
優柔不断とか、完全に任せっきりということではなく、自分の意見だけを頑なに通すのは違うと思っているから。そう思われがちなんですけどね(笑)。もちろん、“ここだけは譲れない”っていうものは自分の中にあるから、何でもかんでもいい訳じゃないし。だから、迷いはないけど、切り替えは意外と早い方かもしれないです。
ドリアン:素敵な方達が周りにいらっしゃる証拠ですね。でも、迷いって、“どっちもいいけど、どっちにしよう”っていう迷いだったりもありますしね。“なるほどね”って思えて前に進めたら、もうそれは迷いにはならないですから。
――どっちを選ぶかは、やっぱり自分の気持ち次第なのかもしれないですよね。ドリアンさんがおっしゃる通り、自分自身がワクワク出来るか?というところであると思うし、どっちを選んだ方が正解かは、“これをやっているときの自分は好きって思えるか?”だと思いますからね。
ドリアン:そう。自分が“楽しそうだな!”“楽しいな!”って思えることが1番大事なんだと思うんですよね。
渋谷:ほんまにそう思う。それって1番大事だと思うし、俺は自分だけじゃなくて、ファンのみんなや渋谷すばるに関わってくれるみんなにも、同じように楽しんでもらいたいと思うんですよね。
渋谷「今の自分と地続きにしか自分らしさってないと思う」
――渋谷さんは、自分自身が楽しみたい!というところ以上に、そこ(ファンのみんなや渋谷すばるに関わってくれるみんなにも、同じように楽しんでもらいたいと思うところ)をとても強く願う人でもあるから、考えすぎて苦しくなってしまうところもあると思うんですよね。一緒にお仕事していて、それを本当に強く感じます。さっきお話に上がっていた“らしさ”のくだりで、まさしく、そこだなって思いました。
渋谷:本当にそうかもね。頑なに“これはやっちゃダメだと思う”って、自分の中で自分を押し付けてしまっているところはあると思うから。それって、さっきドリアンさんが言ってた“選択の結果が今だし、今やってることが自分なだけであって、今の自分と地続きにしか自分らしさってないと思うから、そこを切り離して、幻のような“本当の自分”ばっかりを考えちゃってる人が多い気がしてる”っていう言葉そのものだったりするよね。ほんまにそうやなって思うからね。
――本当にそうですね。「ひみつのなっちゃん。」でも、そういうところを教えてくれていた気がするんですよね。主演の滝藤賢一さんが演じるバージンは、年齢を重ね衰えを感じた自分に自信を失い、踊ることを辞めてしまったドラァグクイーンという役柄でしたけど、周りはバージンさんの踊りが見たいと思っているのに、バージンさん自身の気持ちが開かないというところでしたからね。
渋谷:自分が思っているだけで、周りはそこまで思っていないよ、っていうところやねんな。すごくそれは伝わってきたけどね。
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