舞台「十五少女漂流記」のゲネプロ取材が2月3日、都内にて行われた。主演の太田奈緒をはじめ、共演の大森莉緒、浜浦彩乃、石森虹花、藤井彩加、春名真依、堀越せな、天音みほ、優希クロエ、鹿沼亜美、桐島十和子、尾崎明日香、あやかんぬ、中武明佳理が出席した。なお、ウェル役の道枝咲は、新型コロナウイルスの濃厚接触者と認定されたため、2月4日(土)まで出演見合わせとなった。その間、代役は安井摩耶が務める。
「一五少年漂流記」少年を少女に置き換え舞台化
同舞台の原作は「十五少年漂流記」。1860年2月に、ニュージーランド・オークランドに住む少女たちは、夏休みに船旅を楽しむために「スルーギ号」に乗り込んだ。だが出航前夜、船での宿泊の予行練習も兼ねて泊まったその夜に事件は起き、少女たちだけが眠る船がいつ間にか沖まで流されてしまったのだった。
船に乗っているのはオークランドの女子校に通う十四人の少女と、一人の船員見習いの女の子のみの十五人。外海に流され、たどり着いたのはどこかもわからぬ無人島だった。年下の幼い子どもたちを引っ張るブリトニー(太田)に対し、元々学校一の優等生であるドルチェ(浜浦)はライバル意識を持ち、度々ぶつかってしまう。さらに、少女たちだけで暮らす島に、人殺しの犯罪集団が流れ着くという災難も待ち受ける。突如遭難し、無人島暮らしを余儀なくされた少女たちが、波乱を乗り越え、母国に帰りつくことを目指す物語。
太田奈緒コメント
原作、台本を読んで、子どもだけで困難を乗り越えて成長していく物語にドキドキわくわく、ハラハラがあり、いろいろな感情がたくさん散りばめられていて、それを少しでも表現できればと稽古を重ねていきました。
紗幕を使った演出だったり、ダンスや歌で表現してストーリーが進んでいく場面もあるので、注目していただけたらと思います。
稽古期間から作品の中の「十五人の女の子たち」の力強さに、私自身パワーをたくさんもらっていました。観劇してくださった皆さんにも何かお届けできるように、キャスト、スタッフの皆様と一つひとつ大切に重ねていきたいです。
脚本・演出 久保田唱
原作の「十五少年漂流記」を原作に、十五人の少女たちの物語として新たに生まれたこの舞台。稽古場から十五人にキャストがとても団結していて、稽古を進めるごとに座組の結束が増して行くのを感じました。
「少女たちだけの船が漂流して見知らぬ土地に流れつく」という本当にあったら大変なことを、強く、時に楽しく、時には争いもありながら生きる彼女たちの姿。歌やダンスの表情も織り交ぜながら、すばらしいキャスト陣が舞台上で生きてくださっています。ご期待ください。
◆取材・文=大野代樹