遠藤さくら、齋藤飛鳥卒業で止まってしまった時を「動かしたい」
ランキングを一旦離れ、楽曲を通して2022年を振り返るブロックに。まずはグループに合流して1年を過ぎた5期生が「絶望の一秒前」で、堂々とした姿を見せつける。続いて、中西アルノが「私はこの曲が好きで、この曲を通して出会えた人たちが大好きです。今日はそのことが少しでも皆さんに伝わりますように」と感極まりながら、自身がセンターを務める「Actually...」で圧巻のパフォーマンスを展開。その一方で、3~4期生で構成されたアンダーメンバーは「届かなくたって…」を、力強さとしなやかさを併せ持つダンスで表現してみせた。
“乃木坂46はじまりの歌”「ぐるぐるカーテン」は、11年前にリリースされた当時のメンバーはもはや誰一人残っていないが、それでも歴史を継承し続ける現メンバーを代表し、秋元が「ここまで乃木坂46を支え、成長させてくれた皆さん、本当にありがとうございました」と感謝を口にする。
2022年振り返りパートの締めくくりとなる曲「ここにはないもの」に入る前、遠藤さくらが2022年末の齋藤飛鳥卒業で止まってしまった時を動かしたいと決意を口にすると、この日のために制作された特別な映像を背に、自身がセンターに立って涙ながらにこの曲を見事に表現してみせた。
「僕は僕を好きになる」からリクエスト曲カウントダウンが再開。残り3曲となり、「帰り道は遠回りしたくなる」では遠藤が、アルバム曲ながらも上位入りを果たした「ありがちな恋愛」では山下美月&賀喜遥香がそれぞれセンターを担当し、卒業した先輩の思いを継承しつつ彼女たちらしさもしっかり感じられるパフォーマンスを見せる。
そして、リクエスト1位にして本編ラスト曲に選ばれたのは「きっかけ」。乃木坂46らしさに満ち溢れた名曲を、グループの歴史を彩ってきたさまざまな衣装を着用したメンバーが思いをたっぷり込めて歌唱して、11回目のバースデーライブ初日公演の本編を締めくくった。
新キャプテン梅澤美波「皆さんが楽しんで追いかけられるグループになれるように」
アンコールは山下の「おまえら、いけんのかーっ!」を合図に「ガールズルール」からスタート。続く「ダンケシェーン」含め、会場中が熱気と大歓声に包み込まれ、ライブは最高潮を迎える。その後、賀喜や山下が今日の感想を告げていくと、5期生の井上和が「声出しライブは初めてだったので、ステージに出てお客さんの声を聞いたときは最初、緊張していたんですけど、だんだんとお祭りみたいに感じられてリラックスできました」と笑顔で答える。
また、この日は秋元から新キャプテンに梅澤を襲名するサプライズ発表も。「この立場になって初めて、真夏さんが背負っていたものの大きさに気付きました」と語る梅澤は、「これから乃木坂を引っ張っていくには、この重みと怖さを吹き飛ばしていく強さが必要。ファンの皆さんが楽しんで追いかけられるグループになれるように、私なりに少しずつ頑張っていきたいと思います」とファンを前に力強く宣言した。
梅澤に対して客席から温かな拍手が送られる中、最後は「君の名は希望」で3時間以上にわたる11回目のバースデーライブ初日公演は幕を下ろした。
◆文=西廣智一
ソニー・ミュージックレーベルズ
発売日: 2023/02/22