ドラマ10「大奥」(毎週火曜夜10:00-10:45、NHK総合)の第8回が2月28日に放送され、「8代 徳川吉宗×水野祐之進編」が展開。吉宗(冨永愛を)が町医・小川笙船(片桐はいり)に出会って疫病対策に本格的に乗り出すさまが描かれ、希望が感じられた。(以下、ネタバレを含みます)
「大奥」とは
よしながふみの同名コミックを森下佳子の脚本でドラマ化した作品。3代将軍・家光の時代から幕末・大政奉還に至るまで、男女が逆転した江戸のパラレルワールドを舞台に、ジェンダー、権力、病など、現代社会が直面する課題を描く。
江戸幕府3代将軍・徳川家光の時代、「赤面(あかづら)疱瘡(ほうそう)」と呼ばれる奇妙な病が日本中に広がっていった。この病は“若い男子にのみ”感染し、感染すれば“数日で死に至る”恐ろしい病であった。対処法も治療法も発見されず、結果として男子の人口は女子の1/4にまで激減し、日本の社会構造は激変した。男子は希少として育てられ、女子はかつての男子の代わりとして労働力の担い手となり、あらゆる家業が女から女へと受け継がれるようになる。江戸城でも3代将軍・家光以降、将軍職は女子へと引き継がれ、大奥は将軍の威光の証であるがごとく希少な男子を囲い、俗に美男3千人などと称される男の世界が築かれていくのであった。
吉宗は町に出て庶民の惨状を目の当たりにする
吉宗は市中には極貧の者が病になっても手当もなく無惨極まりないと町医の小川笙船から手紙を受け取る。そこで、お忍びの姿で江戸の町に出た吉宗は行き倒れている多くの庶民たちを目の当たりにし、その者たちを助けようとする笙船を見かけて手を貸す。
笙船が行った先は体調の悪い者たちであふれかえっていた。笙船に子供の体を拭くように言われ、従う吉宗。心配する吉宗に笙船は、ちゃんと食わせて休ませれば大方のものは治る、食えないから弱り、病にもなるという。