爆笑問題の太田光が、11年ぶりとなる新作長編小説「笑って人類！」(幻冬舎)を3月8日に発売し、同日都内で記者会見を開催。発売にいたった経緯やタイトルに込めた思いなどを語った。
原稿用紙1200枚に及ぶ長編小説
同作は、極東の小国“ピースランド”のダメダメ総理が、世界の平和のために立ち上がる物語。原稿用紙にして1200枚にも及ぶエンターテインメント大作だ。
小説を書こうと思ったきっかけを聞かれると、太田は「自分がいろいろと経験した中で、今までのことを皆さんに知らせたいとドバイでずっと考えてまして…。何とか暴露してやろう、この政治を変えてやろう、そういう思いで…」といきなり渦中の議員をいじるボケを入れつつ、「本当のことを言いますと最初はこの企画で映画を作ろうと思ってシナリオを書き始めたんです。それが6、7年前かな。映画のためにシナリオを2年かけて作ったんですけど、ボツになりまして…。なかなか諦めきれないなと思い、小説にして膨らませて出版したいなと」と、経緯を明かす。
小説に切り替えてからも2、3年たっぷり時間をかけて作られたそうで「渾身の1冊です。『街の外れの何とかの壁』(※『街と、その不確かな壁』)っていうタイトルなんですけど。あ、違ったそれ村上春樹だ」とボケると、リポーターから「ライバルはそちらですか？」とあおられ、「そうですね。やっぱり、打倒・村上里佳子(RIKACO)でいきたいと思います」とさらにボケをかぶせ、大笑いしていた。
実際のタイトルは「笑って人類！」だが、そのタイトルについては「笑って～人類！みたいな感じで。『笑っていいとも！』からパクりました」とのこと。続けて「書いているうちにいろいろ候補はあったんですけど、シンプルに人類が笑ってほしいなと。書き終わったのはコロナとウクライナ(ロシアによる軍事侵攻)の前なんですけど、(世界情勢含め)ゴタゴタはしていたので。『いいとも』は終わっちゃったでしょ？ それでもったいないなと。『笑っていいとも！』っていいタイトルだなと思ったので。タモリさんは『タモリ俱楽部』もやめちゃうんでね。もしそれが前だったら『人類倶楽部』になっていたかもしれない」と、人気バラエティー番組からタイトルを拝借したことを打ち明けた。
コロナ禍に苦しんだ若者に笑ってほしい
さらに、「笑って人類！」というタイトルにかけて「今一番笑ってほしい人」を聞かれると「コロナがまさかこんなことになるとは思ってなかったのもあるけど、こないだテレビを見ていたら、(学生が)卒業式で初めてマスクを取って校歌を歌ったと。それを見ると、若い人たちは本当につらい思いをこの3年間して、なおかつまだ世界情勢がこんな感じだからね。修学旅行も本来は海外とかにも行ってたはずだし、友達ともいっぱい遊びたかったはずだけど、なかなか笑える状況じゃなかったから。ちょっと真面目な話になっちゃうけど、未来の子どもたちとか、若者たちに笑ってもらえたらうれしい」と、ちょっぴり照れながらも真摯(しんし)に思いを口にした。
そしてあらためて、今作で文学賞を狙うかと聞かれると「これは皆さんの評価次第だと思いますが、今とりあえず直木賞の選考委員が誰なのかは調べています。裏から手を回せないかな？というのはちょっと考えています」と冗談を飛ばし、報道陣を爆笑させていた。
◆取材・文・撮影＝ブルータス・シーダ(STABLENT LLC)
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