発売中の「月刊ザテレビジョン5月号」掲載の連載「草なぎ剛のお気楽大好き!Vol.291」では、先日最終回を迎えた主演ドラマ「罠の戦争」(フジテレビ系)の撮影エピソードのほか、新たな挑戦となる時代劇映画「碁盤斬り」について語ってくれた。
「お気楽大好き!」は27年目に突入
早いもので、この連載が27年目に突入です。僕の活動では(香取)慎吾とやっているラジオの次に長いかもしれないね。春は、卒業する人がいたり、新しく何かをスタートする人がいたり、いい意味でリセットして新たな気持ちで前に進むにはとてもいい季節だと思う。人生には成功も失敗も必ずあるから、ここでまた一から頑張ろうよ。そんなときなのかなと思います。
「罠の戦争」の鷲津には特別な思いが
でもハマッたよね、鷲津亨という役に。今の僕が持っている全てのものをぶつけるのにとてもいい役だった。弱者の立場で強い者と戦うところに親近感を持ってもらえたらと思ってたけど、いわゆる普通の男の役だから、最初はハマるのかなと思ってたんです。6年ぶりの連ドラ主演でつまらないなんて言われたら正直イヤだなって、少なからず不安もあったし。だけど、第1話でリンゴを握りつぶすシーンがあって、あれで、待てよ、と。「銭の戦争」(’15年)と「嘘の戦争」(’17年、共にフジテレビ系)は第1話からパンチが利いてたけど、今回はもしかして、全然違う方向から攻められるかもと思って。
あのシーンの裏話をすると、あのリンゴは美術さんが気を利かせて、中身をくりぬいてつぶしやすくしてくれていたのね。で、1テイク目はそれをグッと握ったらパンと破裂しちゃって。超人ハルクみたいに、すげぇ握力じゃん!って僕、笑っちゃったんだよ。井川遥さんが前で涙流しながら演技してるのに。僕もそこまで真剣にやってたんだよ。「泰生が…ううっ」て。放送は2テイク目を使ったんだけど、後から見たら、むしろ破裂させるくらいの方がリアルなんじゃないかってくらいの世界観。あのとき、このドラマ面白くなるなって謎の勘が働いた。あの確信は当たったね。NGテイク、DVDとかの特典に入れてほしいな。