長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は未来のスターを目指す芸人開花バラエティー「深夜のハチミツ」(毎週日曜深夜1:25-1:55、フジテレビ系※関東ローカル)をチョイス。
”つぼみ芸人”との出会いに感謝「深夜のハチミツ」
その番組名から、ハチミツ二郎がホストを務める番組だと期待して再生したら千鳥が出てきて「千鳥かよ」というまったく初めての感情を覚えてしまった『深夜のハチミツ』、聞いたことがないなあと思ったらどうも新番組らしく、売れていない若手芸人=つぼみ芸人たちにスポットライトを当てるネタ番組として始まったものだそうだ。
初回放送の企画は、ショートネタ無限ループ。16組の芸人がショートネタをかわるがわる披露していき、千鳥に認められればもう一周、認められなければその場で脱落。最後の1組になるまでショートネタを披露し続けなければならない、弾数や持久力が問われる戦いだ。
とにかく間髪入れずにネタが続いていくので退屈する暇もないが、とはいえ16組もの芸人のサバイバルが25分程度に収まるのか、と心配していたら、中盤はダイジェストとなり、『放送後TikTokで全ネタ公開』とテロップが出て、古い人間なのか、テレビとTikTokが紐づいていたりすることにまだ慣れない。「うおっ現代的」とか未だに思う。あとTVerについて言いたいんだけど、テレビの内容がネットで全部無料で見れちゃうのってどうなってるんだ。説教したくはないが、少々さらけ出しすぎなんじゃないか?毎週のように楽しませてもらっている身で恐縮だが、TVer、本当にそれでいいのか?お前の価値はそんなものなのか?
そんなのはさておき内容の話、お笑いは昔からまっとうに好きなんで、特にレッドカーペット世代の私からしたら、このショートネタの連続はずいぶん楽しかった。ほとんど知らない芸人さんで、面白いなあ、こんな芸人がいたのかと気になってコンビ名で検索するという動作も懐かしく、初めて知ったアケガラスとニューヨークの30分トークを聞きながらこれを書いている。この世は一期一会、出会いを提供してくれた『深夜のハチミツ』には感謝せねばならない。
千鳥の安定感というのはもちろんだが、あの面倒見の良さというか、ずっとニコニコしてるのも良かった。ちなみにこの番組は千鳥の冠というわけではなく、”売れっ子先輩芸人”という枠が用意されていて、月ごとに変わっていくらしい。4月は千鳥で、じゃあ5月は東京ダイナマイトかもしれない……淡い期待を抱いて寝る。