西島秀俊が、北野武監督の最新作となる2023年秋公開の映画「首」に出演することが判明。4月15日に都内で開催された完成報告会見に登壇し、物語のキーパーソンの1人である明智光秀を演じることが明らかになった。西島が北野監督の作品に出るのは「Dolls(ドールズ)」(2002年)以来21年ぶりとなる。
構想30年の戦国スペクタクル
同映画の原作は、北野が2019年に発表した歴史長編小説「首」。映画監督としての初期の代表作に挙げられる「ソナチネ」(1993年)と同時期に構想し、30年にわたって温めてきた戦国スペクタクルだ。物語は戦国時代を舞台に、時の戦国武将・羽柴秀吉(ビートたけし)、明智光秀(西島)、織田信長(加瀬亮)、徳川家康(小林薫)らによる“本能寺の変”を一大スケールで描く。完成報告会見には北野監督、西島の他に加瀬、中村獅童、浅野忠信、大森南朋も登壇した。
出演に当たり、西島は「北野監督の作品に呼んでいただいたのは『Dolls』以来ということで、20年くらい前ですかね。とにかく自分が成長した姿を見せようなんてことは絶対に考えないように(笑)、無欲に監督の頭の中にある作品を現実の世界に出すために力を出し尽くそうということで、現場に毎日臨んでいました。とても幸せな毎日でした」と喜びを明かす。
廊下で「頼むね」と監督に言われて「分かりました!」
また、オファーを受けた時のことを「ちょうどマネジャーからそういうお話があると聞いた数日後にバラエティーの現場があって、監督とご一緒して。廊下で『話聞いてる?』って言われて、『はい!』って、『頼むね』って言われたので『分かりました!』って。たぶんあれがオファーだったのかなと思っていますが、非常にうれしかったです」と笑顔で振り返る。
演じる明智光秀については「どういう人物だったかと諸説出ていて、難しいなと思いながら、台本上でもいろんな説の中でも、光秀という人物は人間的にもなかなかしっかりした人物であったんではないかと。でも、戦国武将なのでどこか完全に狂っている面もあって、シンガリ(後退する部隊の最後尾)を受け持つとかって、自分の命を捨てるようなものなので、ある種の愛なのではないかと。そういう愛憎と、すごく人間的に現代につながるまともな部分と、あの時代だからこその、完全に今の時代で考えると感覚が狂っているズレている部分。いろんな面を持っている役だったので、いろんな面を演じようと考えて演じていました」と分析しつつ、役作りのアプローチを話した。