ゆるふわ男子役でブレイク
さらにブレイクすることとなったのが、永野芽郁がヒロインを務めた2018年放送の連続テレビ小説「半分、青い。」(NHK総合ほか)で視聴者をトリコにしたゆるふわ男子“マアくん”こと朝井正人役。そこで勢いがついて、2019年7月から放送された黒木華主演のドラマ「凪のお暇」(TBS系)でも、高橋一生が演じる“我聞慎二”と対照的なキャラ・“安良城ゴン”を演じ、ゴンにハマる視聴者が続出。この役も中村にしか演じられないのではないかと思わせるくらいのものとなった。
あらためて遡ると「この作品にも出てたのか！」と叫びたくなるくらい数々の映画・ドラマで“神出鬼没”のバイプレイヤーとして印象的な演技を見せてきた中村だが、2020年以降は主演作が増えていく。2020年4月から放送された「美食探偵 明智五郎」(日本テレビ系)では主人公・明智五郎を好演。小芝風花演じる小林苺を助手代わりに、“料理”をきっかけに事件を解決していくというコメディー要素も多い作品だ。
2021年は4月期に放送された「珈琲いかがでしょう」(テレビ東京系)で主人公・青山一を演じた。漫画が原作だが、“実写化するなら中村を主役に”という声が多く、ファンの期待通り、ハマり役となっている。慌ただしくせわしない都会で、移動珈琲ショップ「たこ珈琲」を営む青山は、一杯ずつ丁寧にコーヒーを淹れていく。飄々とした雰囲気、優しいほほ笑みと「お待たせしました」の言葉に癒やされる人がいる。中村を知るためにもこのドラマはぜひ見てもらいたい。
結婚後初の主演ドラマも決定
2022年は7月クールに放送されたリーガルエンターテインメント「石子と羽男-そんなコトで訴えます？」(TBS系)で有村架純とW主演。弁護士とパラリーガルとのコンビで、有村との共演によって中村のまた違う一面が引き出されている。
そして2023年は7月からスタートする「ハヤブサ消防団」で主演。「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」をはじめ、多くのベストセラー作品を生み出している作家・池井戸潤の同名小説が原作で、中村はミステリー作家・三馬太郎を演じる。池井戸作品は「下町ロケット」で若き技術者を演じて以来、8年ぶり。主役として、どんなふうにストーリーをリードしてくれるのかが楽しみだ。
近寄りがたいイケメン俳優というよりは、いつの間にか自然と吸い寄せられる魅力を放ち、どこか親近感を覚えるタイプのイケメン俳優。これからも中村の魅力に知らず知らずのうちに引き寄せられる人は後を絶たないだろう。
◆文＝田中隆信
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