4月21日にソロ名義のAgust Dでアルバム『D-DAY』を発売したBTS(防弾少年団)のSUGA(シュガ)。そんなSUGAのソロドキュメンタリー作品「SUGA: Road to D-DAY」が、アルバム発売と同日にディズニープラス「スター」で配信された。この作品はソロアルバムや4月26日(水)のアメリカ・ニューヨーク公演を皮切りにスタートするワールドツアー「SUGA｜Agust D TOUR」と同じプロジェクトの一環として制作され、SUGAが音楽制作においての新たな“自分の物語”を見つける旅の様子を追っている。4月21日はアルバムの発売日でもあったため、本国の韓国ではハッシュタグ「#D_DAYOUTTODAY」がトレンド入りするほど大きな反響となった。(以下、ネタバレを含みます)
多忙の末に夢を失ったSUGAがデビュー後、初めての旅に出る
ドキュメンタリー「SUGA: Road to D-DAY」のオープニングで語られるのは、BTSのメインラッパーであるSUGAの苦悩だった。2018年のBTS初のドキュメンタリー映画「Burn the Stage：the Movie」で、所属事務所代表のパン・シヒョクPDが「2017 Billboard Music Awards Top Social Artist」を受賞したばかりのメンバーに、「みんなの自然体がアメリカでは人気らしい」と言っていたが、その後、さらに人気を高めてもその姿勢は変わらず、今作でも常に率直な意見を語る姿を見せてくれている。
2023年にデビュー10周年を迎え、3月9日には30歳になったSUGA(※韓国では年齢の数え方が「数え年」だったため、劇中で31歳という発言があるが、6月に法改正で満年齢に変更される)。デビュー翌年の2014年から14カ国22公演の単独ワールドツアーを行うなど、常に忙しく過ごしてきた彼の20代はBTSの活動に捧げたと言っても過言ではない。それは音楽を愛し、学生時代から作曲家、プロデューサーを目指してきたSUGAにとって本望かもしれないが、さすがに忙し過ぎたのであろう。冒頭のインタビューをした2021年12月時点で、ディレクターとプライベートな空間で静かに語りつつ、「僕は今、夢がない。ファンに伝えたいこともない」と枯渇感を告白している。
スティーブ・アオキ、ホールジー、アンダーソン・パークらの家を訪問
そこから、カメラはSUGAが世界各地でミュージシャンの友人に会いながらインスピレーションを得る姿と、グチりながらも『D-DAY』や仕事に打ち込む様子を捉えていく。最初に訪れたのは、2017年に「MIC Drop」をリミックスしてもらってから親交を深めてきたDJ兼プロデューサーのスティーブ・アオキの自宅。2021年12月、ロサンゼルスで行われた「BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE」の公演の際、SUGAは一人、ドキュメンタリー撮影に向かっていたようだ。白を基調とした洗練されたスタジオで『D-DAY』収録曲の「Haegeum(解禁／楽器のけい琴)」や「AMYGDALA(扁桃体)」など、今アルバムの楽曲を聴かせるなどして、楽しげに音楽談義に花を咲かせている。
その後もマリブへ移動し、2017年の「Billboard Music Awards」のバックステージでの交流をきっかけに、BTSの2019年の楽曲「Boy With Luv」でコラボしたホールジー宅や、息子がきっかけでBTSのファンになり、2022年のBTSのアンソロジーアルバム『Proof』を記念した配信ライブの「Yet To Come(The Most Beautiful Moment)」にドラマーとして参加したアンダーソン・パーク宅を訪問。いずれでも何気ない会話で盛り上がり、飾らない姿を見せている。曲を作るなら、韓国に戻った方が落ち着いて作業できるが、世界のトップシーンであるアメリカの楽曲ができる場所を見てみたかったそうだ。その後、アンダーソン・パークのスタジオワークにも参加したSUGAは、一人の時に「余裕か…」とつぶやいていた。それが、この旅でSUGAが必要だと感じたものだろうか。
https://www.disneyplus.com/ja-jp/movies/suga-road-to-d-day/
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