陰と陽のギャップが激しい演技派
重岡の演技の幅は広い。オフショットで見せる屈託のない笑顔はファンから“5歳児”と言われるほど無邪気で明るい雰囲気だが、いざカメラが回ると彼が放つオーラは、突然、ジメッと背筋が凍るような鋭さに変わる。どこにでもいそうな爽やかな青年から、苦悩を抱えた闇深きダークな役柄までこなしているところは、二宮和也や風間俊介らジャニーズの先輩たちが歩んできた“とんでもない演技を見せてくれる”役者道を継ぐような気配。宮藤官九郎脚本作「ごめんね青春!」(2014年、TBS系)や「ストロベリーナイト・サーガ」(2019年、フジテレビ系)、「これは経費で落ちません!」(2019年、NHK総合)など、印象的な出演作は多数ある。
着実に演技力を磨いていき、「知らなくていいコト」(2020年、日本テレビ系)で見せた怪演はとても話題になった。主人公の記者・ケイト(吉高由里子)の年下彼氏・野中を演じた重岡。ケイトと別れた後、野中はケイトの父親が殺人犯であると他誌の記者にリークして、カメラマンの尾高(柄本佑)とケイトの不倫関係を痛烈に批判した。ケイトにとっては逆恨みもいいところ。怒りに満ちた尾高から殴られると、野中は血を流しながら不敵な笑みを浮かべて「ハハハ…アハハハ!」と高笑いした。このシーンは不気味な名シーンとして、今も視聴者の脳裏に焼き付いていることだろう。
初のパパ役、今秋には初めてホラーにも挑戦
そして重岡は、2021年に「#家族募集します」(TBS系/ディズニープラスでも配信中)で連続ドラマに初主演。シングルファーザー・俊平を熱演し、仲野太賀や木村文乃、岸井ゆきのら演じる“家族”と築く温かい感動物語を優しい笑顔満点で届けた。妻を亡くし、寂しさを募らせる涙のシーンでは、息子・陽(佐藤遙灯)と共にボロボロと泣き、見ている方ももらい泣きしただろう。初の父親役も難なく自分のモノにしていた印象だ。
重岡は大胆なラブシーンや大人の魅力たっぷりに演じた「雪女と蟹を食う」(2022年、テレビ東京系) でも新たな顔を見せ、2023年9月8日(金)公開予定の映画「禁じられた遊び」では、橋本環奈とのW主演でホラー映画に初挑戦。夏頃からはきっと、恐怖のおまじない“エロイムエッサイム”と共にメディアのそこかしこで重岡の姿を見かけるに違いない。
現在30歳。活躍の場を広げ、いろいろな顔を見せる彼の今後が、どこまでたどり着くか楽しみにしているファンはとても多いことだろう。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
※濱田崇裕の「濱」は異体字が正式表記
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