3代目司会が背負う看板の重さと新生・アタック25
児玉の没後4年間司会を務めた浦川アナウンサーに代わり、2015年に3代目司会となった谷原。司会のオファーを受ける際には、当時MCを務めていた『王様のブランチ』(TBS系)のMCを引き受ける際にも児玉のアドバイスがあったことを明かしている。
さまざまな縁のある児玉の番組を引き継ぐことになった谷原は、特徴的な「アタックチャンス」のモーションや正解を知らせる言葉の数々にもリスペクトを覗かせた。たとえば児玉のアタックチャンスは、右手を顔の前に掲げてグッと握りこむ仕草。谷原はこれを「同じ右手では児玉さんに失礼」「自分なりの形を作らなければ」と試行錯誤し、頭より高く掲げた左手を顔の前へ下ろして握るポーズになったという。
さらに児玉がクイズの正解者に告げる言葉も継承した谷原。児玉は参加者が正答した時も「正解」とは言わず、「その通り」「結構です!」と独特の返しをしていた。こうした伝統的な「アタック25」の雰囲気を守るべく、谷原も「正解」ではなく「その通り」といった児玉ワードを駆使している。
谷原が司会を務めること約6年、2021年秋に46年の歴史に幕を下ろした同番組。しかし2022年1月には無料のBS放送局「BSJapanext」にて、『パネルクイズ アタック25 Next』と改題して再スタートを切っている。
「アタック25 Next」は朝日放送テレビがタッグを組んで実現した夢の番組。最後の司会である谷原を司会に再起用したうえ、番組の時間を30分から1時間に延長したパワーアップバージョンだ。また公式アプリに出場応募・クイズの投稿・優勝者予想といった機能を持たせ、地上波放送時代よりも視聴者の参加要素を増やした。
正月には「パネル100枚」といった番組初の企画などにも挑戦しつつ、恒例のスペシャル企画「高校生大会」も開催している「アタック25 Next」。伝統と新しさをバランスよく取り入れつつ、「真剣勝負」という根幹だけは曲げずに突き進めている。
面白さの基準が“お笑い”に寄りがちな現代バラエティにおいて、貴重な真剣勝負の場である『パネルクイズ アタック25 Next』。46年の伝統を引き継ぐ“古き良き”テレビ番組としてではなく、より磨き上げられて進化した同番組の今後に期待したい。
公式Twitter:@tv_attack25
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