みちと楓、“拒否”の立場が逆転
会社に戻ったみちに、後輩の華(武田玲奈)が「戦のあとはお腹空きますからね」とおにぎりとお茶を渡した。そして「でも案外大丈夫そうですね。もっとボコボコにされてくるかと思いましたけど」と続けた。
みちが楓に明かした思いは、みちの心の叫び。同時に、みちは新名夫婦もレスであることを知っているとは楓に明かさなかったものの、同じ拒否される側の“戦友”として、新名の心の傷を誰よりも理解できるから、楓に言い返してしまったのだ。
その後、偶然にも楓に、上司である編集長の川上(MEGUMI)が「女ってさ、なんで浮気されると相手の女に怒り向けるのかね? 旦那とやり直したいんだったらさ、女じゃなくて旦那と向き合うべきじゃない?」と語った。
それと同じことを陽一の浮気相手である三島(さとうほなみ)が第7話で言っていたが、地獄のランチシーンと同時に、その三島が3年前に不倫した相手の妻から「心が死んだ」と告げられる場面も描かれた。
みちは不倫した罪悪感を抱えると共に不倫された側でもある。みちと楓は、これから自分の心と向き合っていくはずだ。
終盤、みちが新名にもらった砂時計を陽一があやまって割ってしまったのは何を暗示するのか。そしてラストでは、みちは拒否する側、楓は拒否される側になってしまう展開へと、波乱が続く本作。
楓の言うように不倫は許されるものではないが、それを踏まえつつ夫婦のあり方について問い掛ける。視聴者からは、「『たかがレスごときで』と言われた瞬間表情変わったの凄かったな…」「新名さんが突き放されてた時間を思うと楓のこと擁護できなくなっちゃうんだよ」などのほか、2組夫婦、また4人それぞれへの違和感、共感とさまざまな意見があがり、タイトルがTwitterのトレンド1位を獲得した。
◆文=ザテレビジョンドラマ部