そしてあらためて、蕨野ら“後輩”へ贈る言葉を求められた松本は「まあ、ゲンちゃんは…」とフランクに“先輩風”を吹かそうとするも、蕨野の静かなる威圧感に「ゲントさん」と言い直し、「ウルトラマン1年目でたぶん緊張すると思うんですけど…すごくたくさんこれから幸せな瞬間が待っているんで、その幸せな光景を早く見てほしいなと。子どもたちの『頑張れ!』っていう声とか“ウルトラチャージ”とかあるんで、そういうのをどんどん受け取って、それをみんなに返していって、幸せに代えてもらえるように楽しませてください!」と言うと、蕨野は松本を真っすぐに目を見つめ「ぜひぜひ頑張らせていただきます」と、思いを受け止めた。
「ウルトラマン」作品としては後輩の立場だが、「仮面ライダードライブ」(テレビ朝日系)のハート役であり、“特撮の先輩”である蕨野は“場慣れ感”がすさまじく、あまりにも堂々たる立ち居振る舞いに松本は「俺、ヒーローの先輩感ないですよね? 何かやってました?(笑)」と蕨野に問い掛ける。
それに対し蕨野は「何をですか?」とキョトン顔でとぼけ、松本は続けて「さっきから風格がすごいなって。僕から(先輩として)言うことは、そんなにないんじゃないかなって…」と苦笑いし、客席から笑い声が漏れていた。
それでも最後は“先輩”らしく、松本が「本当に子どもたちがたくさん楽しみにブレーザーを待っていると思うので、笑顔にして行ってください」とエールを送り、“後輩”蕨野は「もちろんです。頑張ります!ありがとうございます」と、しっかりバトンを受け取っていた。
なお、今回のイベントではカナタの子孫、デッカー・アスミ役の谷口賢志もサプライズ登壇。共演者らへの思いをしたためた長文の手紙を自身で読み、その愛の詰まった内容にキャスト陣が涙する場面もあった。
◆取材・文・撮影=ブルータス・シーダ(STABLENT LLC)
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