風間がなぜ警察学校の教官になったのかが示される
十崎を逮捕したのは、若い警察官2人だった。だが、職務質問が不適切で、強引に逮捕していたことが分かる。十崎の弁護士が公安委員会に暴力行為があったと訴え、十崎は釈放されてしまった。凶器や、目撃者も犯行を決定づけるものとはならなかった。
若い警察官の胸ぐらを思わず掴んでしまった姿から風間の怒りが伝わる。そして、この一件がきっかけで風間は一線を退き、警察学校教官になったのだ。
職務質問を適切にしていたら、何かが違っていたのではないか。SPドラマ「教場」での職務質問の授業がよみがえり、「警察学校とは適性のない人間をふるい落とす場である」という風間“教官”の思いがつながった。そして、風間が教官として着任した裏には無念さがにじんでいたのだと。
それがこの物語の一つの帰着点ではあるが、やはり気になるのは十崎のことだ。すると、本作の新人刑事たちやSPドラマの警察学校生徒たちが登場したエンドロールの後に驚きのシーンが待っていた。
警察学校の卒業式を終えた風間が花壇の花を眺めていると、気配を感じて振り返った先に十崎がいた。“いた”というのか、幻のようでもあった。そしてその十崎が「妹は、どこだ」とつぶやいたのだ。
本話で、風間の所轄署時代の後輩である柳沢(坂口憲二)に取り調べられている十崎が、「どうして風間さんの目を狙ったんだ」などの質問には答えず、動きもなかったが、「家族のこと、聞いていいかな?」と言われると、鏡のほうへと視線を向ける場面があった。マジックミラー越しに風間が見ていることに気付いているかのようだった。
それが暗示していたものなのか、謎に満ちたラストにSNSも騒然とし、「妹ってなに?」「続編があるの?」「気になり過ぎて眠れない」といった声が上がり、「#教場0」がTwitterの国内&世界トレンド1位に躍り出た。
SPドラマ第3弾、あるいは映画化の期待が高まりつつ、6月26日(月)夜8:00からは5人の新人刑事たちのエピソードを振り返る特別編が放送される。
※濱田崇裕の濱は旧字体が正式表記
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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