配信中の韓国ドラマ「悪鬼」でキム・テリと共演中のオ・ジョンセ。同作は、不可解な死を遂げた父親の遺品を受け取ったことで、悪鬼に取り憑かれた女性ク・サニョン(テリ)が、悪鬼の姿を見ることができる民俗学者の男性ヨム・ヘサン(ジョンセ)と出会い、疑惑の死の真相を暴くオカルト・ミステリーだ。今回はこれまでも映画、ドラマと数々の作品に出演、幅広い役どころを演じ、いまや韓国作品には欠かせない“名バイプレイヤー”として作品をヒットへと導いてきたジョンセの印象的な出演作に注目してみた。
憎まれ役も担う名脇役へと躍進!
俳優デビュー当時は、今のようなヒットにつながることがなかった彼の役者デビューは映画「父」(1997年)。それから数多くのオーディションに挑み、映画を中心に下積み時代を過ごしてきたという。
映画「男子取扱説明書」(2013年)では、しがない人生を送る女性チェ・ボナ(イ・シヨン)にひょんなことから誘惑されてしまう国民的トップスターのイ・スンジェを演じ、イム・シワンが主演を務めたドラマ「ミセン-未生-」(2014年)では最終話に“カメオ出演”するなど、着実にお茶の間にその顔が広まっていった。
2017年に出演したドラマ「ミッシングナイン」ではソ・ジュノ(チョン・ギョンホ)のマネジャーを熱演し、「2017 MBC演技大賞」の(ミニシリーズ)黄金演技賞を受賞したことで一躍注目を集めた。
遅咲きではあったが、韓国国内で飛躍し続けるジョンセの知名度が日本でも上昇したともいわれる作品は、2019年に放送されたドラマ「椿の花咲く頃」だ。日本ではNetflixで配信され、「何かの作品で見たことがあったな」という朧気(おぼろげ)な記憶の視聴者も、同作が彼のことを確信的に知るきっかけになったのではなかろうか。さらにこの作品では「第56回百想(ペクサン)芸術大賞」のテレビ部門で男性助演賞を受賞した。
また、同年はパク・ウンビンがヒロインを務めたドラマ「ストーブリーグ」にも立て続けに出演し、万年最下位のプロ野球チームの改革に挑むゼネラルマネジャーのペク・スンス(ナムグン・ミン)の前に立ちはだかり、チームの解散を企むいわゆる“悪役”常務クォン・ギョンミンを演じ、嫌味ったらしい声や表情で視聴者をイライラさせる憎まれ役を担った。
2年連続で助演賞を受賞!
世間からは“カメレオン俳優”と言われるほど、数々のキャラクターに扮(ふん)してきたジョンセ。そんな彼が“名脇役”としてさらに評価された代表作が、ドラマ「サイコだけど大丈夫」(2020年)で演じた、自閉スペクトラム症のキャラクター、ムン・サンテだ。
サンテはキム・スヒョン演じる精神病棟の保護士のムン・カンテの兄で、本作は主人公たちのラブストーリーだけではなく、同時に生きづらさを抱えたキャラクターたちの葛藤も現実も描いており、韓国では大きな話題となった作品でもある。
作品が評価される一方で、ジョンセの圧倒的な存在感のある演技力も認められ、「第57回百想芸術大賞」のテレビ部門で男性助演賞を2年連続で受賞する結果となった。
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