佐藤浩市と横浜流星が、7月19日に都内で開催された主演映画「春に散る」の完成披露試写会に登場。共演の橋本環奈、山口智子、メガホンをとった瀬々敬久監督と共に撮影エピソードなどを語った。
映画「春に散る」とは
同作は、沢木耕太郎の同名小説を瀬々監督の演出で映画化したもの。主人公は、不公平な判定で負けアメリカへわたって40年ぶりに帰国した元ボクサーの広岡仁一(佐藤)と、同じく不公平な判定で負けて心が折れていたボクサーの黒木翔吾(横浜)。偶然飲み屋で出会った2人だが、仁一に人生初ダウンを奪われたことをきっかけに、翔吾は仁一にボクシングを教えてほしいと懇願。やがて2人は世界チャンピオンを共に目指し、“命を懸けた”戦いの舞台へと挑んでいく。
ボクサー役の横浜は、格闘技経験が豊富ということもあって撮影開始当初から既にプロボクサーの技術が備わっていたそうだが、翔吾を演じるために自分自身もプロボクサーになるべく、プロテストの受験を決意。見事に日本ボクシングコミッション(JBC)のC級ボクサーライセンスを取得し、今年6月に公表していた。
舞台あいさつでは、冒頭でMCからプロテスト合格を祝福され、横浜は「ありがとうございます」と感謝。それを受けて、佐藤が「(2022年の)撮影の時から既にそういう話もあったんです。『(試験を)やってみない？』と。でも、本当に受験するとは思わなかったので、ビックリしたのと、ヨシッ！という気分です」と自分のことのように喜んだことを伝えると、横浜は「良かった～」とうれしそうな表情を浮かべた。
また、今回の舞台あいさつでは、映画の場面写真を見ながらシーンに関するトークを展開。仁一と翔吾のミット打ちのシーンについて、パンチを受ける側の佐藤は「ミット打ちは皆さんが思われるよりキツいんです。ミットって聞くと響き的に軟らかい感じがするでしょ？でも、実際はすごく硬いんですよ。硬くていい音がして、なおかつ引いたら駄目なのでこっちも当てにいくんです。それが本当にキツくて。またこの男(横浜)のパンチが重くてねえ…」と苦笑いしながら吐露すると、横浜は恐縮しつつ笑みをこぼす。
続けて佐藤が「それをだんだん重ねるうちにアイコンタクトでなんとなくお互いができるようになっていくのが楽しかったですけどね」と大変な撮影ではあったものの、ミット打ちで信頼関係が築けたそう。
“打つ側”ももちろん全力で！
パンチを打つ側の横浜は「僕は痛いのを知っているからこそ最初躊躇はあったんです。手合わせをさせてもらって、そのたびに浩市さんから『気にせず本気で来い』と力強いお言葉を頂けたので、逆にちょっと力を抜いてやるのは失礼だし、浩市さんの胸を借りて本気でやらせてもらおうと。でも、やっぱり信頼関係がないとこういうシーンは本当に難しいので、言葉を交わさずとも、仁一と翔吾の関係みたいなものを作っていけた気はしますね」と、しみじみと振り返った。
そしてあらためて佐藤と共演した感想を聞かれ、横浜は「ジン(仁一)さんに浩市さんにも通じるところはあるんですけど、疑似親子のような師弟関係のような、共に再挑戦する戦友のような…新しい関係性の形を今回表現できたなと。翔吾にとってジンさんは心の拠り所であったり、救いでもあるんですけど、撮影中、僕も浩市さんに同じ気持ちを持っていて。何があっても味方でいてくれるし、ちょっとした変化も気付いてくれる。声を上げて現場の空気を変えてくれるし、何度も心を救われたので、今回この作品で浩市さんと出会えて良かったと思っていますね」と深く感謝を伝えると、佐藤は「好感度あげてくれてありがとう！」と照れ隠しのように返し、横浜は「いえいえ、すごい人なんです」と強調していた。
映画「春に散る」は、8月25日(金)より全国ロードショー。
◆取材・文・撮影＝ブルータス・シーダ(STABLENT LLC)
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
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