杉咲花「力を尽くしていきたい」成島出監督と初タッグ 本屋大賞受賞の話題作「52ヘルツのクジラたち」映画化
2021年に本屋大賞を受賞した町田そのこの小説「52ヘルツのクジラたち」(中央公論新社)が、主演・杉咲花、監督・成島出で映画化することが決定した。2024年3月に東京・TOHOシネマズ日比谷他で全国ロードショーされる。
本屋大賞受賞「52ヘルツのクジラたち」とは
本作は、2021年の本屋大賞を受賞し、すでに75万部を売り上げるベストセラー小説。「52ヘルツのクジラ」とは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに、何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。
今回杉咲が演じるのは、自分の人生を家族に搾取されてきた女性・三島貴瑚(みしま・きこ)。ある痛みを抱えて海辺の街に越してきた貴瑚は、そこで母親から「ムシ」と呼ばれる、声を発することのできない少年と出会う。愛を欲し、誰にも届かない声で泣く孤独な魂たちの出会いが生む、切なる愛の物語となっている。
数々の話題作を手掛ける監督・成島出
本作のメガホンをとるのは、日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀監督賞など10部門を受賞した映画「八日目の蝉」(2011年)など数々の作品を手掛けた成島監督。
成島は「『誰にも届かない声などない』町田そのこさんのこの熱い想いにどうしたら映画はこたえられるのか。繊細で、力強く、残酷で、あたたかい本作に、大いなる覚悟で臨んでいます」と映画化への想いを語り、また「この難しい作品に、撮影前から並々ならぬ思い入れで準備をすすめてくれた杉咲さんたちと、共に挑めることを心強く思います」と杉咲との初タッグに期待を寄せた。
また、原作者の町田は、脚本を読み「自分の頭の中で描いていた世界、ひとびとが、くっきり浮き出てくる気配をひしひしと感じて、震えました」とコメントした。
杉咲「力を尽くしていきたい」、成島との初タッグに大きな意気込み
主演の杉咲は、この作品の撮影に臨むにあたり「この物語は、皆が自分の隣や心の中にいる誰もに、拍手を贈れる日々への祈りだと思います。その志に少しでも加わりたくて、貴瑚という役を演じることになりました」とコメントし、初の成島監督作への参加に「信頼する成島組の皆さまと、力を尽くしていきたいです」と意気込んだ。