2022年、ドラマ「やんごとなき一族」(フジテレビ系)の演技で話題となり、その後も連続ドラマや映画で存在感を発揮している松本若菜。今年2月には自身初のフォトエッセイ「松の素」を上梓しした。現在、ドラマ「18/40~ふたりなら夢も恋も~」(TBS系)にも出演中の松本が日々何を感じ、考えているかを語る本連載。今回は、自らに課していたものから少し解放されて見えてきた「自分の甘やかし方・人への甘え方」について語る。
変なところでまじめなんです
学校に通っているお子さんがいる方は、「うちの子、宿題終わったかしら!?」とやきもきされているころでしょうか。私は宿題後回しタイプなので、毎年8月31日の夜は「宿題終わらないかも……」と焦りまくっていましたねぇ。
そんな私も、この仕事をするようになってからは後回しをしなくなったんです。たとえば、アンケートをいただいた時。回答期限までに何日か猶予があっても、仕事に関わることはすぐにやらないと気が済まないところがありまして。撮影中でどうしても書けないとき以外は、即回答。私、変なところでまじめなんです。自分でいうのも何なんですけど(笑)。
でもある時、「自分に課されたものは最優先でやらなくちゃ」という気持ちが、自分を圧迫しているように感じたことがあって。それ以来、「アンケートは期日までに回答すればオッケーにしよう!」と思うようにしたんです。期日を超えたら絶対ダメだけど、せっかく猶予をくださっているんだから、そのおことばに甘えてもいいのかもしれないなって。それは自然な変化というよりは、意識してそう思うようにした、という感じかもしれません。
自分の甘やかし方、人への甘え方
「つらいときはつらいっていうようにしよう」と思えるようになったのも、つい最近のことです。甘えるのが下手なんですよね。気の使い方が下手というか。何か大変なことがあったとして、それをそのまま相手にいったとしても、たぶん「ぜんぜんいいよ」っていってくれると思うんですよ。それを頭ではわかっていても、「ぜんぜんいいよ」って思わせるのも何か申し訳ないと思っていたんです。だけどこの先もずっとその考え方でいるのは、ちょっとしんどいかなと思い始めて。本当に少しずつですけどね、自分の甘やかし方というか、人への甘え方みたいなこともわかり始めてきた今日このごろです。
もんちゃんにだけはいつも甘々
今回は「甘え方」についてお話してきましたが、甘えついでにちょっと自分を甘やかす妄想を。もし明日から1か月お休みがもらえるとしたら!? え~!? どこに行きたいかなぁ。豪華客船でクルージングもしてみたいけど、まずはスコットランドに行ってみたい! 愛猫のもんちゃんはスコティッシュフォールドという猫種なのですが、発祥の地であるスコットランドでルーツをたどる旅をしてみたいなと。移動手段は、我が家をまるっと車に乗せたキャンピングカーで(笑)。そうじゃないと、お家大好きなもんちゃんと一緒に行けませんからね。もんちゃんを置いて旅行なんて、とんでもない! 仕事で一日家を空けただけで、聞いたことのない鳴き声で怒ってきますから、もんちゃんは。でも、ず~っと文句をいいながら私の後をついてくるもんちゃんも、かわいいんですけどね!
取材・文=恩田貴子
まつもと・わかな/1984年生まれ、鳥取県出身。2007年、女優デビュー。2017年、映画『愚行録』で第39回ヨコハマ映画祭助演女優賞を受賞。2022年にはドラマ「やんごとなき一族」での印象的な演技が“松本劇場”と話題となり、数々の賞を受賞。同年、ドラマ「復讐の未亡人」で連続ドラマ初主演を務める。現在、火曜ドラマ「18/40~ふたりなら夢も恋も~」(TBS系、火曜22時~)にも出演中。2023年2月には自身初のフォトエッセイ「松の素」を上梓した。
「18/40~ふたりなら夢も恋も~」
2023年7月11日(火)~毎週火曜 22時~22時57分、全10回
出演者:福原 遥、深田恭子、鈴鹿央士、上杉柊平、出口夏希、長澤 樹、八木勇征(FANTASTICS)、嵐 莉菜、シルビア・グラブ、美村里江、松本若菜、髙嶋政宏、片平なぎさ、安田 顕ほか