コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、いじめっ子といじめられっ子の物語を“2パターンの結末”で描いた漫画『ステージ』をピックアップ。
作者である漫画家のオカトマトさんが、2023月5月26日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、6.1万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事ではオカトマトさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
いじめっこへの復讐を2パターンの結末で表現
主人公の女子高生は、クラスメイトの佐々木から執拗ないじめを受けていた。そんなある日、佐々木は街中でスカウトされ、アイドルとしてデビュー。それををきっかけに、主人公への興味を失い、いじめもパッタリとなくなる。その後主人公は憂さ晴らしにネットで“佐々木に対する悪口”を散々書き込んだものの、ただ劣等感が磨かれていくだけだった――。
そこで主人公は佐々木に復讐するため、同じアイドルグループに所属するのだが…本作ではその後の展開として“2つの結末”が描かれている。
まず1つ目の結末「A」は、主人公がライブでいじめを暴露したことで炎上し、2人揃ってアイドルをクビになってしまうというもの。佐々木は主人公に対し「せっかくアイドルになれたのに、アンタのせいでただの学生に逆戻り」「そんなに私をアイドルから引きずり下ろしたかった!?」と泣きながら責め立てる。そんな中、主人公はどこか嬉しそうな表情を浮かべて、“その目がもう一度見たかったんだ”“ようやくまた同じステージに立てた”と満足気な様子。いじめっ子の夢を見事に壊すシーンが描かれていた。
そして2つ目の結末「B」では、いじめの事実を明かさず、「この爆弾私はいつでも投下できるんだよ」「私が鬱陶しくてたまらないでしょ」と、どこか勝ち誇ったように笑みを浮かべる主人公の姿が。佐々木はそんな心もとない状況に焦りや不満の表情を見せたことで、主人公は“その目がもう一度見たかったんだ”“ようやく2人で同じステージに立てた”と、満足げな様子でステージに立ち続けるのだった。
本作ではどちらの結末にも“その目がもう一度見たかったんだ”“ようやくまた同じステージに立てた”という同じセリフが使われているが、それぞれ異なるシチュエーションによって意味合いも変わってきている。
いじめっ子に復讐を遂げる方法が2パターン描かれた本作に対し、ネット上では「マジで秀逸な作品」「どっちの結末も面白かった」などの称賛コメントが続出。
また、どちらの結末が好きか「A派」と「B派」に分かれて議論も繰り広げられており、A派からは「刹那的で最高」「歪んでて好き」といったコメントが、B派からは「弱みを握る形でいじめっ子にプレッシャーをかける主人公がたまらない」「ぜひBルートでアニメ化して!」などのコメントが寄せられた。
作画の際のこだわりは「同じ絵の羅列にならないよう、画面が動くよう意識しています」
――『ステージ』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
可愛い女の子が描きたいなと思って描きました。
――本作では、対照的な2パターンの結末がとても印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
異なる展開をしつつ、どちらも「同じステージに立つ」という言葉に集約されているのが好きなポイントです。言葉遊びが好きなので。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
「劣等感が磨かれる」は好きな言い回しです。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
なるべく印象的な1コマ目になるように意識しています。この先に事件が起きそうな1コマ目が描ければあとは流れで何とかします。
――オカトマトさんの作品は、起承転結が明確に描かれていて読みやすく、最後の1コマも記憶に残るようなオチになっているため非常に読み応えがあります。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
同じ絵の羅列にならないよう、画面が動くよう意識しています。画面が動くと話のテンポもよく感じる気がします。
――今後の展望や目標をお教えください。
今後も気ままに漫画を書いていけたらと思います。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
これからもっと面白い漫画を描くので、ぜひチェックしておいてください!