声優の田中ちえ美と引坂理絵がメインキャラクターの声を務めるアニメ「キャッチ!ティニピン」が、10月8日(日)あさ7時よりBS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)にて初の全国放送がスタート。主人公“ローミー”の声を担当する田中と、ローミーのパートナー“ハチュピン”の声を担当する引坂を直撃すると、作品の中でパートナーを演じる2人だからこその息ぴったりな言葉が次々と返ってきた。
本作は、魔法の国“エモーション王国”から逃げ出し、地球でいたずらばかりする心の妖精“ティニピン”たちを、主人公のローミーがプリンセスに変身しキャッチして王国へ返そうとする物語。2020年から海外で放送中の人気3DCGアニメで、日本では2022年12月からCS放送「キッズステーション」で、2023年4月から「TOKYO MX」ほかで関東地区を中心に地上波放送が開始。この度、「BS松竹東急」にて10月8日(日)あさ7時から初の全国放送がスタートする。
田中ちえ美「声優になりたいって思ったときからの夢が叶って本当に嬉しい」
――10月から「キャッチ!ティニピン」がBS松竹東急で全国初放送となりますが、おふたりの今の心境を教えてください。
田中&引坂:(ふたりで拍手をしながら)嬉しいです! 同意です(笑)!
田中:この作品は、子どもたちはもちろん、大人が見ても笑えるし、自分の子どものころを思い出すかのような、じんわりほっこりするエピソードもあって、全世代の方が楽しめる作品だと思うんです。それが全国の方に見てもらえる環境になるのが、とにかく嬉しいです!!
個人的な話になりますと、女児アニメの主人公は、私が声優になりたいって思ったときからの夢でした。この作品で、主人公のヒロインを演じることができて、私の代表作にもなっているので、本当に嬉しくって…もうたくさんの方に見ていただきたいです。
引坂:私はデビュー当初から少しずつ子ども向け作品に関わらせていただいてきましたが、子ども向け作品って、どうしてもまず知ってもらわないと始まらないといいますか…。知ってもらって長く見ていただいて、初めて子ども達にしっかり認知されていくものなんですよね。
だから、今回BS松竹東急で全国初放送されるというお話は「嬉しい」のひと言です。この機会に、全国の子ども達に「ティニピンってかわいいよね」という印象がついてくれたら、それが1番の喜びです!
引坂理絵「ハチュピンの存在意義は…かわいいは正義!」
――本作のメインキャラクターである、田中さん演じる“ローミー”と引坂さん演じる“ハチュピン”の魅力を教えてください。
田中:ローミーは小学生で、ハーモニータウンの友だちと一緒にいるときはすごく無邪気で元気だし、素直で表情豊かなところもあるんですけど、自分は“プリンセス”だという自覚をちゃんと持っているんです。
ハチュピンたちの前ではちょっとお姉さんぽくなって、プリンセスとして逃げ出したティニピンを捕まえなきゃ…としっかり行動する。そんなメリハリが11歳の女の子で出せるっていうのはすごく尊敬するし、彼女の魅力だと思っていますね。
引坂:ハチュピンは、魔法でローミーをプリンセスに変身させることができる5人の“ロイヤルティニピン”の中でもしっかり目でお姉さん的存在なんですけど、めちゃくちゃドジもしちゃうんです。そんなところが、視聴者のみなさんに近い存在で愛されるんじゃないかなと思っています。
でも、ハチュピンはほかのロイヤルティニピンと比べると、物理能力ってあんまりないんですよ。そこで「ハチュピンの存在意義って何だろう」って思ってひらめいたのは「かわいいは正義」ってことでした!「そこにいるだけでかわいい」…それが彼女の魅力かなとも思います。
田中ちえ美「ローミーは1人で5人のプリンセスに…こんなに幸せな役ないです!」
――田中さん演じるローミーは、ハチュピンたち“ロイヤルティニピン”の魔法によって、「プリンセスハート」「プリンセスクラウディア」「プリンセススター」「プリンセスクローバー」「プリンセスメロディー」と5人のプリンセスに変身します。ローミーと合わせると6人演じていることになりますね。
田中:1人で5人のプリンセスになれるってすごいですよね。こんなありがたくって幸せな役ないです!
引坂:女の子ってわがままで欲張りだから、キャラクターでこの子も好きだし、この子のこの要素も欲しいしって思うじゃないですか。ローミーはそのどれも自分なので、1番憧れますよね。
田中:声を演じるのはもちろん苦労はありますけど、ハチュピン・バロピン・アザピン・チャチャピン・ララピンのロイヤルティニピン5人はそれぞれ個性がバラバラなので、そこで演じ分けています。ララピンだったら、ちょっと元気ではっちゃけた感じとか、バロピンだったらすごく真面目で知性あふれる感じとか。
引坂:ローミーである上で、5人のプリンセスを演じ分けなきゃいけないというのは本当に難易度が高いです。私はどうしても収録自体が一緒になる回数は少ないので、ハチュピンとしても自分としても、いつも「頑張ってください」と“思い”を送っています!
田中ちえ美&引坂理絵、推しプリンセスも推しティニピンも一緒で息ぴったり
――ローミーが変身する5人のプリンセスの中で、個人的に推しのキャラクターを教えてください。
田中:え〜。そんな、ハチュピンの前で…。(※ローミーはハチュピンの魔法で「プリンセスハート」に変身する)
引坂:いいんですよ(笑)。
田中:単純に…単純に…見た目だけでいうと、「プリンセスクラウディア」が好きです。見た目だけ、見た目だけですよ(笑)。
引坂:一緒です! 私も「プリンセスクラウディア」が好きです。この子は、ロイヤルティニピンの“バロピン”の魔法によって変身する姿なんですけど、1番物理能力が高いと思っていて、能力を含めてかっこいいなって思っています。
――では、ロイヤルティニピンの中での個人的な推しキャラクターも教えてください。
田中:もう…ハチュピンが殿堂入りしていることにして、ハチュピンをのぞいて考えると、“ララピン”が私の中では推しですね。
引坂:えっ、私も一緒(笑)。
田中:そうなんですかっ! ララピンは、そばにいてくれたら、もうみんな元気でハッピーだよねって感じますよね。クヨクヨ考えたり悩んだりするのがバカみたいって思える。「明日から頑張ればいいでしょ」「歌っとけば大丈夫」って感じで、元気になれるのがララピンの魅力かなって思います!!
引坂:実はララピンは、破壊力な歌唱力の持ち主なんです。日本でいったら、「ドラえもん」の“ジャイアン”みたいな(笑)。でも、あんなに「イエーイ」とかして歌っているのを見たら、元気になるしパワーをもらえるんですよね。
引坂理絵「オリジナルに寄り添いながらも、日本の表現も追加しています」
――本作は、海外アニメが原作ということですが、日本のアニメとの違いは感じますか。
引坂:私はファンタジー色が強いかなって思いますね。もちろん実社会として描かれているんですけど、街並みもカラフルでポップだし、日本より憧れを映像に映し出している印象があります。
あと日本の女児アニメよりもかなり豪快な表現をしていて、なんとなく少年っぽさも混ざっている感じもしています。表情もそうなんですけど表現も、少年少女どちらも好きなものがミックスされているように感じています。
田中:日本って独自のアニメ文化があって、「ここ、どうなっている」「あのとき、どう」という状況説明が欲しくなっちゃうんですけど、この作品は「見て感じろ」的なところがあるような気がします。もちろん日本版では、翻訳くださっている方がすごく工夫してくれていて、日本の方々が楽しめるようになっています。
あと出てくる男の子のキャラクターは、みんなアイドルみたいでキラキラです(笑)。かっこいい系、かわいい系、王道系と、ステキな男の子達がたくさん出てくるので、そこでも推しが見つけられると思います!
――海外アニメの日本版ということで、日本のアニメで声を演じるときとは何か違いを感じますか。
引坂:日本のアニメで日本の声優が声を演じるときは、私たちがオリジナルになりますが、海外作品はその国の方がオリジナルなので、私たちはそれに寄り添うってことが必要になってきます。だからまたちょっとベクトルが違うのかなという印象がありますね。
作品内にはもともとアニメ制作をした方々の意図が表現されているので、そのオリジナルに寄り添いながらも、ローミーが変身するところで「チュッ」と入れたり、日本の表現も追加したりはしています。
田中:私はそんなに吹き替えの経験値が多くないので、自分もローミーと一緒に成長できたらいいなっていう気持ちでアフレコに臨んでいます。海外作品だから、ここは自分が思っているよりも大きくとか、初歩的なところから細心の注意を払って、声を演じていますね。
田中ちえ美「絶対、推しティニピンができると思います!!」
――今回、BS松竹東急では1話からの放送となりますが、本作の見どころを教えてください。
田中:やっぱり毎回新キャラクターが出てくるところです!!
引坂:そう、新キャラです! 毎回、いろんな力を持ったティニピンが登場するので、今回の子はどんな力を持っている子かな…と思いながら見ても楽しいし、単純に見た目もかわいさがあふれているので、毎回新鮮な気持ちで楽しめると思います。
田中:絶対、推しティニピンができると思います!! あと、ローミーや登場人物の表情も注目してほしいです。結構ひどい表情のときもあって…(笑)。
引坂:それも原作が海外ならではって感じだよね。ローミーもだけど、ハチュピンも「こんな表情もしちゃうんだ」っていうくらい衝撃的なときがあります。そこらへんも視覚的にすっごく面白いって感じてもらえると思います。
田中:あと話がすごくわかりやすいです。1話から、もういきなり「ティニピンが逃げちゃった。捕まえなきゃ」って感じで、難しい伏線とかもないので、気軽に楽しんでもらえると思いますね。
それにやっぱりちっちゃい子って飽きやすいところもあるから、長い作品だと途中で他の遊びとかしたくなっちゃうと思うんです。この作品は1話10分ちょっという長さなので、飽きずに楽しめると思います!
引坂理絵「1話はめちゃくちゃ大事…声優こだわりの“かわいい”も感じてほしい」
――では最後に「キャッチ!ティニピン」のファンの方、これから見始めるみなさんにメッセージをお願いします。
田中:毎回、違ったティニピンが出るので、キャラクターの裏設定とか見つけるのもすごく楽しいと思うし、気楽に楽しく見ていたと思ったら人情味あふれるお話もあったりする、お話の振り幅も作品の魅力のひとつだと思います。実は…絶対1話は見逃してほしくないです!
引坂:確かに、1話はめちゃくちゃ大事です。ちっちゃい伏線が隠れているので、ちゃんと見てないとそこを知れないっていう…。
田中:私たちも1話をアフレコしたとき、「どうしてバラバラになってしまったの」「ここってどういうこと」って思っていたんですけど、回を追うごとにその謎が解かれていくんです。そこもこの作品の魅力だと思うので、どの話も見逃さずに楽しんでほしいです。
引坂:あとこれは声優の話になるんですけど、ティニピンの声を担当する方全員「かわいいは正義」というテーマで演じているんですね。1キャラ1キャラ、こだわりの「かわいい」を感じられると思いますので、きっと推しが見つかる推しアニメになること間違いなしです!
◆取材・文=綱島深雪