11月25日に放送された「ゼイチョー~『払えない』にはわけがある~」(毎週土曜夜10:00-10:54、日本テレビ系※Huluにて配信)の第7話。物語の端々で匂わされていた“みゆきの市の闇”に関わる人間が、徐々に明らかとなっていった。還付金のミスから始まった大騒動と急展開に、SNSでは「展開が忙しすぎてめまいがした」「ラストあたりの展開がヤバすぎる」と話題になっている。(以下、ネタバレを含みます)
「ゼイチョー~『払えない』にはわけがある~」とは
同ドラマは「BE・LOVE」(講談社)にて、2016年4号から2017年6号まで連載されていた「ゼイチョー!~納税課第三収納係~」が原作。“徴税吏員”が滞納されている税金を徴収するべく奮闘する物語で、著者である慎結が市役所で非正規職員として働いていた経験を基に描いている。
ノリは軽いが優れたスキルを持った徴税吏員・饗庭蒼一郎を演じるのは菊池風磨。そして、蒼一郎と正反対、真面目に滞納者と向き合う猪突猛進タイプの新人徴税吏員・百目鬼華子役は山田杏奈が務める。
みゆきの市が抱える闇“徴税禁止リスト”
ある日、みゆきの市の庶務課で還付金の振込ミスが発生。第三係で徴税吏員として勤務していた羽生詩織(市川由衣)に、誤って1000万円もの大金が振り込まれていることが明らかになった。
次の市長選で再選を狙う市長・米田保(佐戸井けん太)にとって、大きな失態を世の中に知られるわけにはいかない。そこで羽生が滞納している住民税に目をつけた米田は、第三係に滞納処分の名目で口座差し押さえるようにとむちゃな要求をする。
饗庭と華子は羽生の元に臨宅へ向かうも、意外にも還付金は返さないの一点張り。そして、なぜか「市長に直接会わせないと理由は言わない」と謎の条件を突きつけてきた。還付金を返してくれない理由を確かめるべく、饗庭と華子は特別に許可を取って当時の業務記録を調査。そして、当時の彼女を知る第三係係長の橘勝(光石研)によると、羽生はある日から急に残業することが増えたという。
しかし、業務記録を確認しても、残業をするほど多大な仕事があったようには見受けられなかった。また残業しているのにもかかわらず、申請をしている様子もない。そのため饗庭は「業務とは別に橘には言えないような“やらないといけないこと”をしていたことで、届出を出さない残業が多くなっていたのではないか」とにらんだ。
再び羽生の元を訪れ、「一体何をさせられていたんですか」と憧れの存在だった羽生に問いかける華子。このまま状況が変わらなければ、みゆきの市が羽生を提訴し刑事事件となる可能性がある。華子の母が税金の滞納を苦に自殺した当時、彼女をどん底から救ってくれたのは羽生。恩人である彼女が抱えている問題を、華子はなんとか解決したいと力強く訴えた。
華子の言葉に心を動かされたのか、羽生は静かに話し始めた。「2人は聞いたことないですよね、“徴税禁止リスト”なんて」。羽生の言葉によると、以前からみゆきの市では“徴税禁止リスト”というものがあったそうだ。リストに掲載されている滞納者に対しては税を徴収せず、意図的に見逃していたという。そのリストを作成するために、羽生は残業を余儀なくされていたのだ。
羽生は当時の財務部長からリストを作成するように指示され、父の税金滞納を盾に脅されていたそう。「先生が滞納者だとうわさが立ったら生徒たちどうするかなぁ、選ぶのは君だよ」。こうして羽生は“徴税禁止リスト”を作成していたという過去を明かす。