円の決意、須賀の覚悟
湯川の言葉で決意を固めた円。彼女は「警察幹部が、保身や自分たちの利益のためにトクメイを与え、現場の刑事たちを利用している」「現場の刑事には、困っている人たちのために働く、正義のヒーローでいてほしい」「だから私は、決断しました。今後万町署では、私的なトクメイに対して一円の経費も払いません」というメッセージが撮影されたビデオデータを、警視庁全体へ一斉送信する。
このメッセージによって、万町署の署員は“円の責任で”トクメイを拒否することが可能に。1人を犠牲にする手段に湯川班は渋い表情を浮かべるのだが、この行動は副署長の意識をも変える一手となった。
その夜、円は須賀に誘われておでんの屋台へ。湯川も合流してお互い減らず口を叩きあっていたが、「運が良かったよ俺たちは。お前がいてくれて」と湯川。そんなやり取りを聞いていた須賀はかすかに唇を震わせながら、細めた目に涙を湛えていた。その表情の意味は、翌日に明らかとなる。
出勤した円は、須賀が消えた一億円の責任を取って辞めるという話を耳にした。「老兵は去るときが来た。あとは、若者に任せるよ」と薄い笑顔を浮かべて荷物をまとめ、警務課をあとにする須賀。残された円は放心状態だったが、副署長から須賀が「円にビデオを撮らせたのも自分」と言い張り、すべての責任を引き受けて辞めたという話を聞いて駆け出す。
署を去り行く道で須賀を呼び止め、「なんで、私なんかのために…」とこぼす円。須賀は感極まったように顔を赤くしながら、「君が、君こそが、正義のヒーローだからだ…!」と敬礼する。“正義のヒーローを支える仕事”に誇りを持っていると常々語っていた円。須賀の言葉にただ敬礼を返し、かすかな笑顔を残して立ち去っていく須賀を見送るのだった。
ラストには湯川行きつけのクレープ店の店主で、情報屋でもある片桐幹夫(米本学仁)が殺害されるという衝撃の展開を迎えた第8話。“Xの正体がわかった”と湯川を呼び出した矢先の死に、SNSでは「須賀さんの演技最高で泣いてしまった…。ラストの引きが強すぎて絶対見なければって気持ち」「楽しくクレープを焼いてくれてた片桐さんが死んだの哀しすぎる…。予告では湯川さんが犯人扱いされてるし、どうなっちゃうの」「須賀さんの演技に泣かされてたら、最後の急展開が衝撃すぎて涙引っ込んだわ。マジで予想つかない」といった声があふれている。