さまざまなヒットコンテンツが生まれた2023年。多彩なエンタメコンテンツを発信してきたWEBザテレビジョン編集部が、反響のあった注目コンテンツを紹介する。その一つが、オンライン動画配信サービス「Hulu」にて、全話独占配信中のサスペンススリラー「庭のある家」だ。キャストには“韓国で最も美しい女優”と評されるキム・テヒと、「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」で“最恐の悪女”を演じたイム・ジヨンが出演。実力派女優の2人がお互いに相乗効果を高め合っていく“かけ合い”が見どころとなっている。そんな本作では、マイホームの庭から漂ってきた“悪臭”をきっかけに、正反対の生活を送る2人が出会い、家庭に隠された真実が明かされていく。悪臭の原因は一体何なのか。翻弄される2人の運命について、注目ポイントと共にあらすじを振り返りたい。(一部作品のネタバレを含みます)
登場人物たちの“衝撃的な発言”によって物語は一変していく
大きな庭のある一軒家に引越してきたジュラン(キム・テヒ)は、ある日その庭から悪臭が漂っていることに気づく。しかし夫のジェホ(キム・ソンオ)も息子のスンジェ(チャ・ソンジェ)も“悪臭はしない”と言うのだが、その悪臭によって物語が動き始める。
ジュランだけが気になると思われていた悪臭は、引越しの挨拶に来た隣人の発言によって、“悪臭は自分の勘違いではない”と確信する。そんな中、ジェホは仕事の付き合いでユンボム(チェ・ジェリム)という男性から夜釣りに誘われる。最初は“行かない“とジュランに伝えていたジェホだったが、こっそり出かけた痕跡があちこちに残っていた。それらを発見したジュランは、ジェホに不信感を募らせていく…。
一方で、妊娠5カ月になるサンウン(イム・ジヨン)は、夫のユンボムからのDV(家庭内暴力)に耐え、決して裕福とは言えない生活を送っていた。そんなある日、サンウンはユンボムの運転する車で彼女の実家に向かうのだが、その夜、実家に着いたのはサンウン1人であった。
翌日、サンウンの元に“貯水池でユンボムが遺体で発見された”という連絡が警察から入る。そしてユンボムが亡くなったのは、ジェホが“出かけていない”と嘘をついた夜であった…。それを知ったジュランは気に掛かり、ユンボムの弔問に同席する。そして「あなたの夫が私の夫を殺した」と、サンウンから衝撃的なセリフを聞かされるのだった。
真相がどうであれ、何があっても家族を守ると決めたジュランと、ユンボムの遺品にあった「5億」と記された言葉の真意を突き止めたいサンウンは互いに手を組み、次第に距離が縮まっていく。そして5億の真相の糸口を掴んだサンウンがジェホを問い詰めると、「キム・ユンボムをなぜ殺した」と、逆に追い詰められてしまう。そこで、今までジェホを疑っていたジュランに衝撃が走る――。
だが2人はお互いの利のために再度手を組み、ユンボムが残した“持ち主不明のスマホ”から、庭の悪臭の原因に辿り着く。謎が解けたかのように思えたが、今度はスンジェの発言で物語は一変。スンジェだけが知る真実によって、物語は終幕へと向かうのだった。
「夫死亡定食」と韓国でも話題に…言葉ではなく行動から伝わってくるサンウンの心情
本作における見どころの1つと言えば、韓国で「夫死亡定食」と比喩され話題になった、イム・ジヨン“サンウン”の食事シーンだ。
ユンボムの死が告げられた後、警察署で事情聴取を終えたサンウンは、向かいの食堂へと向かう。そして“ユンボムの死”によってDVから解放されたからか、食堂で顔に汁を飛ばしながら、ジャージャー麺を一心不乱に貪り、コーラを一気飲みする様子が映し出された。
また食事だけではなく、ユンボムの弟からの電話に、まるで日常の些細な出来事を話すかのように、ユンボムが死んだことを伝えるサンウン。そして「今食事中なので」と面倒臭そうに電話を切る姿も、非常に印象的なシーンとなっている。
本来であれば夫が死んだことでご飯が喉を通らなくなってもおかしくないはずだが、サンウンの場合はその逆…。言葉ではなく、食事を通してサンウンの心情を表現した演技はまさに圧巻であった。“狂気すら感じる暴食シーン”で、今までの苦しい生活から解放された様子が伝わってくる。
エスピーオー
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン