撮影現場は園ワールド全開!
――台本を読んで、実際に演じてみていかがでしたか? 夏帆さんは、本格的なアクションは本作が初めてと聞きましたが…。
満島:まず台本をもらった段階では、ベースしかできてなくて未完成のものだったんです。夏帆ちゃんの役がどこに行きつくんだろうとか、いろいろな不確定要素が多かった。園さんが目指す世界は監督の脳みその中にしかないので、それを具現化しようとした時に「果たして(台本に)書かれていることができるのだろうか?」という不安はありました。
衣装合わせは夏帆ちゃんと一緒じゃなかったんですが、僕の場合は今まで見たことのないヴァンパイア像を作りたかった。ヴァンパイアと聞くとロングコートにオールバックで青ざめた顔のイメージがあると思うのですが、日本には吸血鬼の文化はない。そういう中で、園さんと何度もディスカッションしました。すごく現代チックだけど、どこから来たか分からないミステリアスな感じにしたいという話から、「ドレッドはどうだ?」という案が出たんです。僕もヒップホップが好きだし、園さんも最近ヒップホップにはまっているのも相まって、試してみることにしました。するとキャラクターのイメージが膨大なものになってきたので、そこで即決しました。
僕自身今回は挑戦の気持ちが強かったこともあり、この選択は間違っていなかったと思っています。そこから衣装も派生していって、全部同じ形の色違いのセットアップスーツを選び、小物もいろいろ付けてみて足し引きしながら、楽しんで決めました。その時すでに、そこには見たことのないヴァンパイア像が出来上がっていたんです。
夏帆:私も衣装合わせの段階でキャラクターがあまり明確になっていなくて、何パターンも候補があったんです。ロングのかつらをかぶったり、最初は髪が赤かったり…最終的には地毛になりましたが(苦笑)。いろいろ試しながら、キャラクターが決まっていきました。
満島:園さんも僕らの演じる動きなどからインスピレーションを得て、言葉が浮かんできたり、カットが浮かんできたりの繰り返しな現場でした。みんながより密に参加していくしかないんです。
夏帆:大きいアクションが何場面かあるんですけど、特に満島さんとの対決は本当に大変で、ある種このドラマのクライマックスの一つであって大事にしたかったのですが、作品の撮影と並行してアクションの練習もしていたので、大変でした。台本には “山田(満島)とK(夏帆)戦う”の一言しか書いてなくて、現場で撮るまでどういうことになるのか分からなかったです(苦笑)。ラストシーンも何回も変わって、日々変わっていました。
満島:そうそう。園さんは撮りながら湧き上がるイメージを形にしていく方。そういうことに臨機応変に、そしてパワフルに対応していき、自分たちもこの変化の波に全身で加担していく。これは園さんの現場ならではですね。
Amazonプライム・ビデオにて全9話を見放題独占配信中
https://www.amazon.co.jp/dp/B072JZXT2L/ref=dvm_jp_pv_pm_tvh_002