血の繋がりを超えたイザナと鶴蝶の絆に涙
衝撃の真実を告げられ、動揺を隠せないマイキーにイザナは「オレが 救えるか?」と問いかける。何か返そうとするが、上手く言葉が出てこないマイキー。目に涙をためながら、「救いようねぇだろ?」と寂しそうに笑うイザナの声は少しずつ小さくなっていく。鶴蝶は必死に声をかけるも虚しく、そのままイザナは息を引き取った。
同じく虫の息の鶴蝶は「寂しい思いはさせねぇよ…」とイザナの手を握り、隣に寝転ぶ。そこに雪が降ってきた。鶴蝶が思い出すのは、まだ幼い頃の記憶だ。2人で作ったかまくらの中で、夢を語り合ったイザナと鶴蝶。国王はイザナ、鶴蝶は一個中隊を率いて、自分たちのように身寄りのない人間を国民にして居場所(=理想郷)をつくる。
イザナを三蔵法師、鶴蝶を孫悟空と見立て、国の名前は「天竺」。真一郎の死で失意のどん底にいたイザナは稀咲にそそのかされ、天竺を最強の犯罪組織にしようとしていたが、元々はそんないじらしいほどに純粋な夢から始まったのである。
本人が言うように最後まで救いがないように思えたイザナの人生には、血の繋がりを超え、絆で結ばれた鶴蝶がいた。コンクリートの上に、2人の身体から流れた血がまるで一つの大きな翼のように広がる。彼らの人生は孤独や苦しみばかりではなかったと信じたい。
武道、ついに稀咲を追い詰める
マイキーはイザナが息を引き取ったのを見届け、「この場はオレが残って収める!!」と東卍と天竺両方の隊員に解散を告げる。しかし、ムーチョ(CV:小野大輔)、灰谷兄弟の蘭(CV:浪川大輔)、竜胆(CV:下野紘)、モッチー(CV:稲田徹)、斑目(CV:内山昂輝)ら、S62世代の面々はその場に残ることを決めた。彼らもまた、イザナに憧れてきた人間なのだ。
一方、イザナを死に追いやった稀咲は卑怯にも、半間(CV:江口拓也)と共にバイクで逃走を図る。もしこのまま逃げ切られてしまったら、タイムリープされて同じことの繰り返し。そう思った武道は自身もドラケン(CV:福西勝也)のバイクの後ろに乗せてもらい、稀咲を必死に追いかける。
焦る稀咲に引っ張られた半間は運転操作を誤り、バイクは転倒。ついに稀咲を追い詰める武道だったが、ここにきて撃たれた足が痛み、その場にうずくまってしまう。そんな武道を背中におぶり、稀咲のもとに届けようとするドラケン。半間が追いかけてきたため、途中で背中を降りた武道は足の痛みを堪えながら走り、ようやく稀咲に追いつくのだった。
関東事変は東卍の勝利で終わったが、武道の目的は稀咲をぶっ倒すこと。武道はここで長い戦いに決着をつけることができるのだろうか。
第49話の放送後は、SNSで「イザナの真実、天竺の始まり…ずっと涙が止まらなかった」「”家族じゃない”鶴蝶くんだから寄り添い続けられたんだね」「血縁に拘ってたイザナだけど、2人の流した血が混ざり合うのは泣くよ」「二人には幸せになってほしかった」と、イザナと鶴蝶の人生に想いを馳せる投稿が相次いだ。
※島崎信長の崎は正しくは「たつさき」
■文/苫とり子
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