コミックの映像化やドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回はさかめがねさんの漫画「遠くに行ってしまった気がした推しが全然遠くに行ってくれない話」を紹介する。作者であるさかめがねさんが11月26日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、5.2万件を超える「いいね」を寄せられ、思わぬ距離感と、謎の一体感を覚える展開が大きな反響を呼んだ。本記事ではさかめがねさんに、作品のこだわりなどについてインタビューをおこなった。
人気Vtuberの最古参ファンが持つ悩み
今をときめく人気Vtuber、草村しげみ。長い個人活動を下積みを経て人気が爆発し、企業に所属した後も人気は伸び続けて現在の登録者数は130万人超という押しも押されもせぬトップ配信者となった。しかし彼女を個人活動時代から支え続けた登録者第一号である主人公は、最古参ファンとして彼女を応援し続けている。
「まさかここまで人気になるなんて…なんだか彼女が遠くに行ってしまった感じだ…」喜びとは裏腹に寂しげな表情を浮かべる主人公。最初から近くにいないのだし、勘違いをして厄介なファンにはならないようにしないと、と考えながら今日も配信のページを開く。
しかし配信中の草村に挨拶コメントを打つと、画面に映る草村は話していた話題を切って「ナナシノさーん!!こんばんは～！」とそれまでの表情とは比べ物にならないほど明るい表情を浮かべる。ちなみに“ナナシノ”は主人公のユーザーネームだ。
「も～！今日配信来ないのかと思っちゃったスわ！じゃあはじめますね～」そう続けた草村しげみのハイテンショントークはまだまだ続く。「ナナシノさんプレステ派でしたよね？これプレステなんスよ！やったことあります～？」配信画面から聞こえてくる内容は、ナナシノ個人へ向けたものへと変わっていく。「気のせいか…？昔の個人配信の頃の距離感と変わってない気がするんだよな…」と悶々と考えるナナシノ。「3万人を差し置いて配信中に俺個人へ話しかけているわけが…」と考えながら、「視聴者個人を構うの良くないんじゃない？」とコメントを入力すると、草村しげみの顔が青くなっていく。
「あ…あの…迷惑だったスか…？」と落ち込む草村しげみ。しかし配信を見ている他の視聴者も巻き込んで、思いもよらない事態に発展していく…。
温かい関係性の2人には、SNSで「配信しているとわかるけど、初期に支えてくれた人ってホント印象残るんだよな…」「ナナシノが来るまで場繋ぎが唐揚げの話ってかわいすぎ」「登録者第1号と距離近いのはもうしゃーない。許してしまう」「これは視聴者もナナシノ込みでの草村しげみだと思って見てるはず」とさまざまな声が集まった。
互いに尊重し合うリスナーと配信者達が見せる尊い展開…
――本作を創作したきっかけや理由があればお教えください。
「誰かのことが大好きな人」というのは、はたから見ていても幸せになるし、応援したくなりませんか？というテーマで漫画を描いてみようと思ったのがきっかけです。
その上で「好く人」「好かれる人」「応援する人」という3つの存在として「Vtuber」「いちリスナー」「すべてのリスナー」を当てはめたら面白いのではないかと思いました。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
草村とナナシノとリスナーたちとが、全員お互いに対して愛やユーモアを持って寛容に接しているところがこだわりです。
「リスナーの1人を贔屓する配信者」という本来ならかなり危うい存在を、全員の協力で面白く受け入れていく様子が、この漫画の見てほしいポイントだと思います。
――草村さんが人気を得ている点は、ずばりどこなのでしょうか。
やはり「誰かのことが大好きな人」というのは、それを外から見ている人までも幸せにするからかもしれません。
――ナナシノの他にも草村さんが認識している古参はいるのでしょうか。
います！現状私が漫画で描くのが草村とナナシノとが絡む場面ばかりですが、普段の配信で草村はもっと色んな濃いリスナーからのチャットに翻弄されているのだと思います。
――さかめがねさん自身が推しているモノ、ヒトなどがあれば教えてください。
テレビ番組の「ラヴィット！」を推しています！私はテレビバラエティが好きなので、平日朝っぱらからバラエティ番組をやろうという「ラヴィット！」の気概を応援しています！
Vtuberですと、「ヘアピンまみれ」さんを推しています。可愛い見た目のVtuberから放たれる渋すぎる企画と、それを実現する根気と工作力が非常に面白いです！
――今後の展望や目標をお教えください。
ナナシノがいない日のまったりとした配信風景や、草村のASMRなど、企業Vtuberらしい一面も描いてみたいなと思っております。
趣味で描いているものなので、描きたい時にまったりと描いていくことが目標です！
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
草村の漫画はそもそも最初の4ページで終わりのつもりでしたが、「もっと読みたい」というコメントを多く頂きまして、続きを描くに至りました。応援に感謝すると共に、無理なく楽しくゆっくりと続きが描けたらなと思うので、気長に楽しみにして頂ければ幸いです！
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
