「トクメイ!警視庁特別会計係」(毎週月曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)の最終回が12月25日に放送。黒幕である“脅迫者X”の覚悟と決意、その行く末が明らかになった。警察の未来を懸けた大事件の顛末(てんまつ)に、SNSでは「まさかこのドラマで泣くとは思わなかった」「ビターな終わりでよかった。それが似合うテーマだったから」「演技が最高過ぎるんだよな…」といった声が集まっている。(以下、ネタバレを含みます)
「トクメイ!警視庁特別会計係」とは
同作は、経費から事件解決の糸口を見つける新しい警察エンターテインメント。緊縮財政を強いられた警察の本庁から、“特別命令(トクメイ)”を背負って派遣された特別会計係が橋本環奈演じる一円(はじめまどか)だ。
経費において一円のズレも許さない几帳面な性格の円。周囲から「疫病神」と呼ばれるほどの“凶運”を持つ円が、沢村一樹演じる湯川哲郎をはじめとしたひと癖もふた癖もある個性豊かな刑事たちとと共に、“お金”の面から事件解決に迫っていく。さらに、警務課長・須賀安吾を佐藤二朗、上司である副署長・中塚文雄を鶴見辰吾が演じ、脇を固める。
Xの背負った過去
椅子に縛られた状態の湯川に、警察組織への脅迫を繰り返していた「X」のリーダー・須賀が謝罪する。いまや湯川は逃亡犯。警察が血眼になって彼を追っている状況だ。「少しの間の時間稼ぎだ。すぐに容疑は晴れるから」と声をかける須賀に、湯川は「ふざけんな!」と憤っていた。
「これしかなかったんだよ湯川…」須賀はそれでも湯川の拘束を解く気はない様子。榊山慎一郎(福井晶一)官房長の指示で殺されてしまった記者・芹沢詩織(石井杏奈)の復讐(ふくしゅう)を果たすため、須賀はもう止まらないと決意している。
5年前まで、娘がいることすら知らなかったという須賀。ある日、訪ねてきた詩織が母の名を告げたことをきっかけに、改めて親子の関係を築いていたのだという。触れ合えなかった時間を埋めるように、2人はじっくりと絆を育んでいた。
しかしある日、詩織は警察上層部による裏金・不正を知る。元々警察組織が清廉潔白とは思っていなかったこともあり、「法を守るべき警察に不正がはびこって、正義がお金で買われる…そんな未来がくることの方が怖い」と固い決意で警察の不正を暴くべく動き始めてしまったのだ。
詩織を失うのが怖い、手を引いてくれ…父として須賀が訴えた言葉は、詩織には届かなかった。結果的に詩織は警察組織の手にかかって亡くなってしまい、須賀は後悔に打ち震える。「悪いのは榊山たちだ。お前に責任はない」という湯川の言葉に、須賀は「ある。ある…ある!ある!ある!」と力を込めて何度も繰り返した。
「詩織の未来を守れなかった責任が…俺にはあるんだよ湯川」須賀の決意は、もう止められない。Xの一員である真壁純也(安藤嗣海)が暴走し、Xの正体を探っていた片桐幹夫(米本学仁)を殺したときから、引き返せない場所に立ってしまったのだ。
スマホにかかってきた円からの着信に「一さんもホントに運が悪いよなあ…俺のようなクソみたいな人間と知り合って…」とこぼしながら、須賀は榊山官房長暗殺に向けて動き出す。