ミュージカル俳優の井上芳雄、甲斐翔真、平原綾香、望海風斗が2月1日、都内で行われた「ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル」(6月20日[木]より上演)の製作発表記者会見に出席。2025年2月より休館する帝国劇場への思いを語った。
「古漬けくらい染み込ませてお送りしたい」
2019年7月にブロードウェイで初演された同ミュージカル。日本初上陸は2023年6月で、東京・帝国劇場にて日本初演のプレビュー公演の幕を開け、全85公演を行った。2024年6月より始まる再演では、東京・帝国劇場だけではなく、大阪・梅田芸術劇場メインホールでも上演する。クリスチャン役は井上と甲斐、サティーン役は望海と平原のWキャストで行う。
望海は、あまり初演のことを覚えていないとのことで「夢だったんじゃないかなってくらい非現実的な毎日だったので。作品の内容もそうでしたし、夢の中で生きていた感覚でした」と振り返った。
平原は、歌手デビュー20周年と同ミュージカル出演が重なっていたため、多忙だったという。「本番終わった後に生放送でないといけない。覚えなきゃいけない曲で、たまたまYOASOBIの『アイドル』だったの。どうしても練習しないといけなくて、声出しがてら『アイドル』を歌っていたら、同じ楽屋の女の子たちがびっくりしたみたいで。『あーやどうしたんかな』って」と回顧した。
また、2024年でミュージカルデビュー10周年となる平原は「『ムーラン・ルージュ!』1本にかけて! お漬物で言ったら古漬けくらい染み込ませてお送りしたいと思います」と意気込んだ。
東京・帝国劇場への想い語る
同記者会見では、東京・帝国劇場が2025年2月より休館することについてもトーク。初舞台、初オーディションが同劇場だった井上は「家みたいな。ホーム感がすごくて。帝劇でやらせてもらうのが通常だったので、なくなることが想像付かないです。考えないようにしています。もちろん寂しいですし、このままあってほしい気持ちもあります」と吐露し、「また新しい帝劇ができてくれるでしょうし、最後に帝劇に立つ日まで一生懸命やりたいです。今年『ムーラン・ルージュ!』で立てるのはうれしいですね。あの帝劇が真っ赤になったのが、帝劇の歴史の中でも大切なことじゃないかなと思うので、携われて幸せです」と感慨深い表情を浮かべた。
「帝劇のにおいが好き」という平原は「臭いって意味じゃないですよ。帝劇の匂いを嗅ぐと演劇スイッチが入る気がしていて。あの匂いが大好きなんですよ。だから、リニューアルされても匂いだけは引き継いでいただいて。あれが新築の匂いになったら『何か違う!』ってなると思うの」と言い、笑わせていた。
◆取材・文=大野代樹