「日々変わっていく空気感が楽しいなと思ってステージに立っています」
――まだ、稽古前ではありますが、この作品を通じて成長したいことや、目標などはありますか?
アーニャは小林聡美さんが演じるラネーフスカヤの娘で、その2人の親子関係が大切になってくるシーンもあります。そのシーンをどういう風に作れるかとか、このせりふをどういう感覚で話すんだろうと考えているので、それが見ている人にしっかりと伝わればいいなと思います。
――小林聡美さんとは初共演ですが、どのような印象をお持ちですか?
小林さんは私の中で「かもめ食堂」(2006年)のイメージが強くて。とても好きな映画で、すごくすてきな役どころだったという印象ですね。
――「ベター・ハーフ」から続けての舞台出演となりますが、舞台のいいところってどんなところでしょうか?
“同じ公演”がないのが楽しいです。同じ物語の同じせりふでも、例えばちょっと“うれしい”という気持ちを強くするだけで、そのあとの感情もちょっとずつ変わっていくかもしれなかったり、感情の流れが似ていても全く同じではないので、「新しいことが毎回起きるのかもしれない」って思いながらやっていると、毎公演すごく楽しいです。見に来てくださっているお客さんの反応によっても、その日の作品の空気が変わるので、日々変わっていく空気感が楽しいなと思ってステージに立っています。
――舞台に出演される方はアンケートを大事にされていると聞くのですが、実際にアンケートで印象に残っている感想などはありますか?
実は私、今までアンケートを見せてもらったことがなくって。見たいとは思っているんですけど…。(スタッフからアンケートを見せてもらえると聞いて) ありがとうございます、うれしいです!
――今の時代は感想がSNSに書かれたりしますが、見たりしますか?
はい、しますね。
――いい意見もあれば、そうではない意見もあると思うのですが、見てしまって落ち込んだりすることはあったりするのでしょうか?
全部うのみにはしないですけど、ヒントをもらう感覚で見ています。落ち込んだりはしないですね。受け取るのはお客さんなので、「ああ、そういうふうに見えるんだ」っていうところから、「どうしたら自分が思っているように真っすぐ、しっかりと伝わるんだろう」と考えるきっかけにもなるので。
――では、最後に「24番地の桜の園」を楽しみにしている方々にメッセージをお願いします。
今の時代に改めて作られる「桜の園」を、純粋に楽しみに見に来ていただければと思います。戯曲自体もすごくすてきな作品なので、音楽や美術が加わることによって、見たことのない作品になるんじゃないかと私自身も期待しているので、楽しみにしていただければと思います。
【東京公演】
11月9日(木)~28日(火)
Bunkamuraシアターコクーン
【松本公演】
12月2日(土)~3日(日)
まつもと市民芸術館 主ホール
【大阪公演】
12月8日(金)~10日(日)
森ノ宮ピロティホール