“怒れない”川端(かわばた)役/中川大志
20代、男性。大学生。幼い頃から怒り方が分からない。教祖・小澤に怒り方のアドバイスをもらう。
中川大志コメント
SFとリアルが混在し、現実と非現実の境目が分からなくなるこの作品の世界観に引き込まれ、「自分もぜひ参加したい」と胸が高鳴りましたが、その繊細で絶妙なラインを表現することは、僕にとって簡単ではありませんでした。 加藤さんからいただく言葉の中にあるヒントを少しも逃さぬよう、そして巧みな共演者の皆様にのまれぬよう必死に過ごした時間はとても濃密で、ヒリヒリしました。
“思い出す”菅谷(すがや)役/染谷将太
30代、男性。小学生の頃の初恋の女性と偶然の再会を重ねる。
染谷将太コメント
苦しかったり、苦かったり、つまづいたり、浮き足立ったり。人類の四苦八苦を見事に加藤拓也氏が一つの箱に閉じ込めて、それを穴へ突っ込んでくれました。このドラマの出来事は、皆さんの人生の中にはなさそうに感じつつも、「いや?これはなんか心のひだに触れてくるぞ?」「いや?これはもはや自分のことか?」という物事が繰り広げられています。
そのたくさんの匿名性がある感情に浸っていただけたら、とても有意義な時間を加藤氏からもらえるのではないかなと思っております。何せこのジェットコースターのようなリズムを感じてもらい、たくさんのモノを感じていただきたいと願っております。
“田舎暮らしの”松岡(まつおか)役/上白石萌歌
20代、女性。バイト先のオルゴール記念館で不思議な体験をする。
上白石萌歌コメント
松岡役を演じさせていただきました、上白石萌歌です。まずは、ずっと憧れ続けた加藤拓也さんの世界に飛び込むことができたこと、心から幸せに思います。加藤さんの作り出す世界にはいつもなんとも言い表せないような不思議な引力があり、拝見するたびに私の心に新たな風を吹かせてくださいます。
私たちの日常の延長線上にあるようで、どこか果てしなく遠い場所にいざなわれるような、唯一無二の質感。リアリティーとフィクションとが交差する世界観に、いつも身ごと持っていかれそうな心地のよい危うさが好きです。
生きていく中で避けては通れない苦しみや葛藤と私たちはどう向き合っていくべきなのか、考えを巡らせながら演じました。早く皆様にもこの「滅相も無い」を体験してほしいです。お楽しみに!
“帰国生の”青山(あおやま)役/森田想
21歳、女性。両親は日本人だが、イギリスで生まれ育った。バレエを習うも、辞めさせられる。
森田想コメント
青山役を演じました、森田想です。再び手元へやってきた加藤さんの書く言葉は、わざと見過ごしていた痛みや苦しみをすくい上げてあっけらかんと突きつけてくる、恐ろしくて笑ってしまうほどに。当たり前にこちらの想像力では到底たどり着けない場所に立たされ、まるで感情単体が自分から放り出されるような本当に不思議な感覚を抱きました。
そして、小さな存在の私にとってはあまりに彩り豊かな先輩方とリレーのように物語を運べたことは心を刺激されるぜいたくな経験でした。負った傷や後悔を背負い続け、思い通りにならない人生と欲の正体に向き合っていくことができるのなら、この作品を見て胸が熱くなる瞬間があるはずです。楽しみにしていてください。
“取り返しがつかない”渡邊(わたなべ)役/古舘寛治
54歳、男性。司法試験に落ち続け、家族から無心している。
古舘寛治コメント
加藤くんという才能溢れた作家と若い俳優たちとの仕事は楽しかったです。しかし半屋外の豪華邸宅で寒さに耐えながらの長時間の撮影は最年長者のおじさんにはなかなか大変でした。スタジオパートもせりふが多くて、覚えたつもりでも忘れてゆく脳みそと必死に闘いながら頑張りました。おじさんはいつも必死です。いい作品に仕上がってたらいいな〜。出来上がりが楽しみです。
“起業家の”真吾(しんご)役/平原テツ
40代、男性。SNSビジネスで成功するも、大手ホテルから不当な扱いを受ける。
平原テツコメント
最初、このお話をいただいたときにドラマで加藤拓也くんの作品に関われること、そして素晴らしいキャストの方々と共演できることに興奮しました。加藤くんの脚本はファンタジー要素はあっても、結局は人間そのものを描いていて、見る人に何かしら当てはまったり、「あぁ~何か分かるわその感じ」と共感できるんじゃないかと思います。
演出も俳優の感じたまま演じさせてくれて、演技のすり合わせもスムーズで本当にやりやすい。共演者の方々とも少ない時間でしたが、現場で楽しく作品づくりに没頭できました。各人物のいろいろなストーリーを楽しめる素晴らしい作品になっているので、ぜひご覧になってください。
“好奇心の”井口(いぐち)役/中嶋朋子
50代、女性。高校生のときに交際した同級生が行方不明で音信不通になる。
中嶋朋子コメント
それは、心地よい違和感と、得も言われぬ親和性が共存する世界観。未体験なのに、妙に肌なじみの良さがある――。まったくもって、奇妙な体験なのです。初めて脚本を読んだときから、撮影の間も、撮影を終えてしまった今も、なんだか静かに興奮しています。
誰かとシェアしたいけど、非常に個人的な感覚のような気もしていて、なにやら胸がドキドキします。大人になって、こういう気持ちになったことって、あったかなぁ。 早く誰か、「滅相も無い」という体験を共有できる人が現れてくれないものかと、実は密かに待っているところです。
“夢うつつの”岡本(おかもと)役/窪田正孝
30代、男性。小学生の頃、祖母の実家で夢と現実の境が分からなくなる経験をする。
窪田正孝コメント
加藤くんとまた仕事ができて心底うれしかったです。脚本も演出も斬新でとても刺激的な現場でした。日常に突如巨大な穴が現れて、それがどこにつながっているかも分からない。天国なのか地獄なのか。その人にとって都合のいい理由でいつでも入ることができる穴が存在したら人にはどんな心理が働くのか。清算したい過去、トラウマ、カルマ、人間の神髄が描かれた群像劇をお楽しみください。
“穴”の教祖・小澤(おざわ)役/堤真一
穴を信仰する団体の教祖。
堤真一コメント
加藤拓也監督の独特の感性が詰め込まれた、とにかく不思議な作品なので、撮影に入るまでも悩む日々が続いたのですが、楽しく撮影することができました。でもきっと登場人物たちに共感できる部分がたくさんあると思うので、物語をどう解釈するか、自分たちだったらどうするか、そんなことを考えながら見ていただけたらと思います。とにかく、出来上がりをすごく楽しみにしています。