加藤拓也氏が監督・脚本を務めるドラマイズム「滅相も無い」(毎週火曜夜1:28-1:58ほか、TBSほか)が現在放送中。同作は、巨大な“穴”が現れた日本を舞台に、その“穴”に入るか悩む8人の男女と教祖の姿を描く、映像×舞台×SF×アニメーションが融合した完全オリジナルのSF群像劇。
“穴”に入るか悩む8人の男女を中川大志、染谷将太、上白石萌歌、森田想、古舘寛治、平原テツ、中嶋朋子、窪田正孝が、“穴”を神とする団体の教祖を堤真一が演じ、津田健次郎がナレーションを務めている。
このたび、WEBザテレビジョンでは、“夢うつつの岡本”役の窪田と、ナレーションの津田、監督・脚本の加藤氏にインタビューを実施。演じた感想や視聴者からの反響について思うこと、撮影裏話などを聞いた。
「想像もつかないような本質的な内面が出てくるという面白さ」
――まずは脚本を読んだ際の感想を教えてください。
窪田:穴をきっかけに自分の心の中の弁を開いて、誰しもが持っている過去に向き合ったときに、想像もつかないような本質的な内面が出てくるという面白さを感じました。それが粘着質ではなくてごく当たり前のように語り合われる空間が、すごく斬新な発想で面白かったです。
津田:初見は本当に不思議な世界観だなと感じました。加藤さんのワールドが広がっていて、“ある日突然穴が現れる”というSFの切り口から、それぞれの人間模様が丁寧にしっかりと描かれていて、本当に不思議な味わいの作品なので面白かったです。また、こういった作品が地上波のドラマになるというのもうれしかったですね。
――場面転換がその場で行われるなど珍しい撮影方法が用いられていますが、窪田さんは実際に演じてみていかがでしたか?
窪田:監督が脚本に書かれている言葉の面白さもさることながら、スタジオという空間の中でいろいろな表現方法を駆使する楽しさを感じました。役者としては周りに物がある方が空間を埋められるので安心するのですが、スタジオに人が扉を運んできたりするところも映して、それが一つの演出になっていたり、バンドの皆さんがうしろにいらっしゃったり、そういった空間の中で演じる異質さというか、やったことのないお芝居をしているという感覚にゾクゾクするものがありました。
――視聴者にとっても未知なる体験かと思います。
窪田:加藤くんは、映画やドラマといったところだけではない何かを見ているというか…。今回もすごく挑戦的で攻めている作品で、テーマ性はすごくグサリと来るものなのに、さらっとしていてすごくポップで優しいイメージがありますよね。現場でもそれを感じていました。
――津田さんはナレーションを担当するにあたりどのようなことを意識されましたか?
津田:加藤さんの世界観が非常に強い作品なので、僕が何かを用意していくというよりも、まずは加藤さんがどういうものを求めていらっしゃるのかを一番大事にしたいなと思っていました。過去の深いトラウマや傷みたいなものをさらっと淡々と描いているので、おそらくは淡々とした語り口調でいくのが正解なのかなという予測だけはつけておりました。
――加藤さんは津田さんのナレーションを実際に聞いてどのように思われましたか?
加藤:僕は津田さんの声が好きでしたから、一声目から「これが聞きたかったんです」と思いました。