King & Prince・高橋海人が主演を務めるテレビ東京開局60周年連続ドラマ「95」(毎週月曜夜11:06-11:55、テレ東系/Leminoにて配信)の第4話が、4月29日に放送された。トラウマ、抑圧からの解放、「洗脳」とも呼ばれうる絆…ある事件をきっかけに、物語は大きくうねり始める。仲間との歪んだ友情が、真面目で臆病だった主人公を少しずつ変えていった第4話。SNSでは「集団の絆と、それ以上に危うさを感じるな」などという声が集まった。(以下、ネタバレを含みます)
「95」とは
原作は、「イノセント・デイズ」で第68回日本推理作家協会賞を受賞した早見和真氏が、受賞後第1作目として綴った青春小説。大人の作った社会の仕組みにあらがい、大切なものを守りながら、1995年の渋谷をがむしゃらに駆け抜けた高校生たちの姿を描く。高橋は本作がテレ東ドラマ初出演にして初主演。主人公・広重秋久(通称:Q[キュー])を演じる。
Qを取り巻く同級生には勢いと話題性のある俳優陣が結集。黙っていても人を引きつけるカリスマ性があり、Qをチームに誘い入れる鈴木翔太郎(通称:翔)を中川大志が演じ、翔と幼なじみでQが思いを寄せることになる岸セイラに松本穂香。明るくムードメーカー的存在の丸山浩一(通称:マルコ)を細田佳央太、暴力団幹部の息子で翔やセイラと幼なじみの堺怜王(通称:レオ)を犬飼貴丈、レオと同じく翔、セイラと幼なじみでけんかが強い新川道永(通称:ドヨン)を関口メンディーが演じる。
流れ星より静かにこぼれる涙
若者の間でカリスマ的人気を誇る雑誌「ストフリ」に掲載されることになったQたち。浮かれていたQに、宝来隼人(鈴木仁)が声をかけて家まで押しかけてきた。表面的には友好的だったが、酔った勢いかQの姉を強引に押し倒す。壁一枚を隔ててわずかに聞こえる姉の悲鳴を、Qはヘッドホンから流れる音楽で黙殺するしかなかった。
姉は「ストフリ」でよく顔を見る宝来の来訪を知って化粧をしたし、翌朝の態度も普段と変わらない。だがQは、どうにもやりきれない気持ちが胸を焼くのを感じている。
学校に行けば「ストフリ」に載ったからと女子が大勢押し寄せてくるものの、Qはいたたまれず学校をサボって外へ。初めて自分でタバコを買い、逃げるように人気のないビルの屋上で「くそっ…なんなんだよ」と涙をこぼす。そこへ、ドヨンからポケベルで連絡がくる。メッセージは、「ホシハスキカ」。
1年前まで神戸に住んでいたドヨンは、震災を経て渋谷へやってきた。そして震災以降怖くて見られない夜空の星を、プラネタリウムでリハビリ中だと明かしてくれる。翔に言われたからとバラしつつも、黙っていつもと様子の違うQのそばに寄り添ってくれたドヨン。だからQも、「聞いてほしい」と胸につかえるつい昨日のできごとを告白した。
話を聞いたドヨンは、さっきまでと打って変わって鬼の形相に。姉の感情はどうでもいいと言ったうえで、「問題はお前が傷ついているかどうかだ」とハッキリ確認を取る。「憎んでる。アイツと、簡単にやられて平気な顔をしてる姉ちゃんと…でも一番は、見て見ぬふりした自分に腹が立ってる」そう自分を責めるQに、ドヨンはさらに言い募る。「そうやって傷をえぐり続けるのか、この先もずっと」ドヨンの言葉に、Qは「やだ…そんなのやだ」と答えた。静かに涙をこぼすQにドヨンは、彼と同じだけ傷ついたような表情で、「わかった」と重い言葉を口にする。