主要キャストの「迫力ある」演技
――メインキャストの皆さんについて、実際に現場でお芝居をご覧になって思ったことや感想をお聞かせください。
皆さん、真剣に考えてお芝居していただいています。脚本のト書きの一つも漏らさずやるような迫力があるというか、話しかけづらいような本気になる瞬間というのも結構あって。
広瀬さんは現場でも曲を聞いて気持ちを作ってすごいなと思いますし、眞栄田さんは脚本をめちゃくちゃ読み込んでいらっしゃって、目線一つでも、こういう意味で、こういう理解で芝居してくれたんだというような形で。坂東さんは明るいキャラクターなので、結構地に近いのかなというところもありながら、締めるところは締めるようなお芝居をしてくださっています。長濱さんは、自分の演技はこれでいいのだろうかと常に考えていらっしゃって、自分が言うのもなんですが、どんどんお芝居がうまくなっているような気がして、最初のころと顔がまったく違うなと思いました。綱さんは、第3話の泣きの芝居がすご過ぎて、こんなお芝居できる方なんだって驚きましたし、普段と芝居のギャップがある方だなと感じました。
――ドラマの公式Instagramなどでは、5人のキャストの方々の仲良さそうなオフショットが見られます。演技以外のときも皆さんたくさんお話されたりしているのでしょうか?
そうですね、お話もされています。それぞれフューチャーされる回があるので、そのときは、どうしようというのと、真剣にやらなきゃというようなものが入り混じった表情をされているのですが、広瀬さんが「大丈夫だよ」と声を掛けられたり。仲いいだけじゃなくて、支え合っているなと感じます。
――広瀬さんがリードするような感じですか?
みんな同じくらいの感じで。最初にあだ名ができたんですよ。広瀬さんはそのままアリスですけれど、眞栄田さんはドゥン、坂東さんはドゥ、長濱さんはネルソン、綱さんはツナマヨからマヨ。そのあだ名ができたときからグッと距離が縮まったかなと思いますし、対等な目線みたいな感じでいらっしゃるのではないかと思います。
今期ドラマで多くみられる「記憶障がい」設定について
――第4話ラストで遥斗が目覚め、記憶障がいであることが分かりました。今期のドラマでは、本作のあとの「アンメット ある脳外科医の日記」もそうですが、“記憶障がい”の設定が偶然にも重なっていることについてご意見はありますか。
「アンメット」以外はまったく知らなくて、40何本あれば設定がかぶることもあるよねというようにしか思わないのですが…。ただ、「366日」は脚本の清水友佳子さんのご家族に高次脳機能障がいの方がいらっしゃいまして、実際に向き合ったりされている経験があります。なので番組としては単に“設定”として扱っているだけじゃなくて、本気で丁寧に使わせてもらっています。
遥斗の事故は、ファンタジーではなくて実際に起こりうる話。そうなっても変わらず愛し続けることができますかということを表現していきたいと思っています。
――記憶障がいは、早い段階で物語に取り込むと決めていらっしゃったのですか?
企画書段階から書いていました。脳にダメージを受けた方のノンフィクションの番組を見ていたある時、妻から私がもしこうなったらどうする?と言われて、ハッとしたところから着想しました。私自身は、そうなったから別れるという選択をするつもりはないと思いましたが、もし結婚していなくて付き合っているときだったら、どうなるのかなと。第2話で莉子の「今だったら戻れるよ」というせりふがあって、なかなかキツい言葉だけれど、本当にそうだよなとも感じました。ご覧になった方に、もし大切な恋人がこうなったら、どうするかということを考えるきっかけになったら嬉しいなと思っています。
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