外車で乗りつけた母親に憧れる街の人たち
伯母夫婦がかつ子を養ってあげていると思っていたが、そうではなかった。かつ子の不織布マスクを作る内職と、実の母親からの送金で伯母たちは生活していたのだった。
伯父の京太(岩松了)は元中学の教師で現在は無職。伯母の妙子(広岡由里子)も同じようなもの。かつ子が高校に進学する時、月々の仕送りを増やして欲しいと京太が直談判すると、母親のかなえ(小田茜)は外車で乗りつけやって来る。
久しぶりに会う娘に対して、かなえは「これがあの子なの? やだぁ、まるで潰れたがんもどきね」とヒドい言葉を浴びせた。それ以来、街の人たちはかつ子のことを陰で“がんもどき”と呼んでいるのだという。
普通なら、母親に置き去りにされた娘のかつ子に同情し、社長夫人となって着飾ってやってきたかなえを悪く言うだろう。だが、仮設住宅での生活を抜け出し、金持ちと結婚し、救援物資を送るかなえは、街の人たちにとって「自分もいつかは」と思わせてくれる希望のようになっており、羨望の眼差しを向けている。
逆に、こんな環境の中で地道に働いても報われず、生活を何一つ変えることのできない娘のかつ子を見ていると、街の人たちはまさに現実を突きつけられる感じがして、同族嫌悪のような感情を抱いてしまっている。たんば(ベンガル)いわく、かつ子は「実写版貧乏」だと。
不幸なかつ子の身に起こった、さらに不幸な出来事
伯母の妙子が3週間ほど入院することになった。その間、かつ子は伯父の京太と2人きり。酒びたりの京太は「お前はじっとしてればいい。目をつぶりなさい!」と恫喝し、かつ子を押し倒してしまう…。
伯母が退院して家に戻った後、かつ子はオカベのリカーショップにやってきて何かを伝えようとしていたが、こんな時に限ってオカベはかつ子の変化、異変に気付かずじまい。一緒にいた半助(池松壮亮)は「いつもより背中丸まってた」と、何かを感じ取っていたようだったが…。
結果的に、かつ子は妊娠した。助けを求めたオカベに気付かれず、すがりつくすべもないかつ子はどうなるのか。この重い状況から第8話の「がんもどき・後編」でどういう展開になっていくのかが気になるところ。
SNSでは「寡黙でさみしそうなかつ子を、一言も発しないで演じている三浦透子さんの演技に胸を打たれました」「かつ子が不憫すぎる」「生き地獄過ぎて涙も出ないほど」と、三浦の演技を絶賛する声や物語の展開を憂う声が見られる。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
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