吉高由里子が主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第27回「宿命の命」が7月14日に放送され、道長(柄本佑)の娘・彰子(見上愛)がついに入内。道長が準備した“屏風歌”のために和歌を送ってきた大物に注目が集まった。(以下、ネタバレがあります)
定子が出産、彰子は入内
「源氏物語」を生み出した平安時代の女流作家・紫式部の人生を描く「光る君へ」。大石静が脚本を務め、主人公・紫式部こと“まひろ”を吉高が、まひろのソウルメイトとなる藤原道長を柄本が演じている。
一週の休止を挟んで放送された第27回では、道長と石山寺で再会したまひろが妊娠し、出産。まひろの夫・宣孝(佐々木蔵之介)がそれを知りつつ「そなたの産む子は誰の子でもわしの子だ」と大きな心で受け入れる――という大胆なオリジナルエピソードが繰り広げられた。
同じころ、一条天皇(塩野瑛久)の周囲では、中宮定子(高畑充希)が2人目の子を出産。その同じ月、彰子が入内…と、こちらも大きな出来事が立て続けに描かれた。
花山院、久々登場
「彰子の入内をどうしても盛り上げねばならぬ」と道長が準備したのが、入内に際して持たせる調度の一つ、屏風に公卿たちの詠んだ和歌を貼り付ける“屏風歌”。一条天皇の関心を誘うには、和歌に秀でた公卿の歌であることはもちろん、身分の高い公卿が参加していることも重要だ。
歌を送ったのは、道長と親しい公任(町田啓太)や斉信(金田哲)ら。さらに、清書係を務める行成(渡辺大知)がうやうやしく運んできたのが退位したさきの天皇・花山院(本郷奏多)の歌で、これには道長もびっくり。「そもそも奇矯なお振る舞いの多い院ではあられますが…」と行成からはさらりと批評されてしまった花山院だが、さきの天皇が歌を送ったとなれば、これほどの権威づけはない。
ただ一人、「女御にもなっておらぬ者のために、なにゆえ公卿が歌を詠まねばならぬのだ」と固辞した実資は、完成した屏風に花山院の歌があると知り、「かッ…!おお、おお…」と心中穏やかでない様子。「ハハ…院までもか…あ~これはこれは」と目を泳がせた。