FODでは人気のフジテレビドラマを毎月5作品分、FOD・TVerにて毎日無料公開する「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」を開催中。対象作品のひとつ、木村拓哉主演のドラマ「HERO」第1話(8月6日火まで無料公開中)は、2001年に放送された23年もの前の作品でありながら、今見ても物語やキャラクターたちが持つ勢いは色あせない。
宇多田ヒカルの「Can You Keep A Secret?」が流れ、木村拓哉、松たか子らが横一列に並ぶ映像を見れば、ドラマに夢中だったあの頃を思い出す人も多いだろう。今記事では、「HERO」第3、4話を紹介する。 (以下、ネタバレが含まれます)
雨宮が大好きなK1に例えて久利生に発破をかける
「HERO」はいわゆる“お仕事ドラマ”の群像劇。元不良で中卒、大検を受け、司法試験に合格し検事になった久利生公平(木村)が青森から東京地検の城西支部の刑事部に赴任して、事務官の雨宮(松たか子)ら城西支部の面々と毎度巻き起こる事件に向き合う。
第3話は、別れ話を持ち出した女性に、男性がステーキナイフで切りつけるトラブルに久利生が巻き込まれる。翌日、久利生の前に現れた被疑者・宮川(宮迫博之)は気落ちしていた。久利生の取り調べに、紗江子(森口瑤子)と結婚を考えていたことを切々と訴える。
料理研究家の紗江子は、過去にも結婚詐欺で複数の男性から訴えられた過去があった。どの男も宮川同様、手料理や「生まれ変わっても一緒になろうね」の言葉に心をつかまれており、大金を渡していた。ピンとくる久利生だが、結婚詐欺の立件は難しい。「リングに上がる前に逃げるK1選手のよう」と雨宮に言われてしまった久利生は捜査を進める。
久利生と雨宮のコンビネーションは、第3話にしてほぼほぼ固まっている。2人には恋愛感情こそないものの、会話のテンポは信頼し合った男女のそれであるし、時々挟み込まれる久利生から雨宮への「恋愛経験ないの?」という見下したような会話のジャブから、雨宮の真面目でお堅いキャラクターが際立つ。
雨宮が同じ支部内の江上(勝村政信)から好意を寄せられながらも邪険にあしらうのを見て久利生は「恋愛なんてワケわかんなくなっていいんじゃないの? 馬鹿になっちゃって。だからいいんでしょ」と、法律でも人の恋愛感情までは決めつけられないことを熱く語った。六法全書に載っていることがすべて、といったような主人公も人気を得やすいが、「HERO」の久利生はその真逆をいく男である。
ポニーキャニオン