「天命が革命に至ったことを知らせに来た」
翌日におこなう講武の支度を臣下たちと整えたイ・フォンは、ホ・ヨヌに支度をするように告げる。明日いっぱいは戻ってこられないため安全な場所に移っていたほうがよいと語るイ・フォン。さらに1人で宮廷に置いていくと自分が気になるとして、ホ・ヨヌに改めて避難を申し出る。イ・フォンの固い表情から何かを感じ取ったのか、ホ・ヨヌは「ご無事で」と微笑む。イ・フォンもまた、「必ず――無事に戻る」と約束を交わすのだった。
決起前最後の夜、月を見上げるヤンミョングンのもとに、キム・ジェウンがやってくる。「1つだけ聞く」と切り出したヤンミョングンは、王命かそれとも友として来たのかと問う。友として来たと答えるキム・ジェウンに、もう1つだけとヤンミョングンが言い募る。
「お前、今でも私の友か?」そう問われたキム・ジェウンは、まっすぐに目を見て「これまでもこれからも変わりません」と言い切った。するとヤンミョングンは、「では――どんな選択をしても信じてくれるよな。ずっと友だろう?」と涙を浮かべながら問う。
なぜ聞くのかと問い返されると、ヤンミョングンは「お前の返事とは関係なく、決意は変わらない」としながらも「なぜこうなったかを考えてしまう」と静かにこぼすのだった。
翌日、講武のために物々しい雰囲気に包まれる王宮。衣装を整えたイ・フォンはヤンミョングンと部下たちが待っていることをヒョンソンに伝えられる。続けて「王様、これまで――王様にお仕えできてとても光栄でした。王様の――ご無事を祈ります」とヒョンソンが微笑むと、イ・フォンは「これまでの歳月をむだにはしない」と毅然とした表情で答えた。キム・ジェウンとヒョンソンを伴い、イ・フォンは決戦の場へと向かっていく。
「ついに時が来た。すべてを元に戻す時が近づいている」と心中でこぼしながら、ユン・デヒョン、そしてヤンミョングンの謀略がうずまく場所へと向かっていくイ・フォン。そして決意をした表情を浮かべているのは、ヤンミョングンも同じだ。
歩き始めたイ・フォンたちに、ヤンミョングンたちの作戦通りに兵士が押し寄せてくる。外から押し寄せた兵士たちに囲まれながら、背中合わせで構えるイ・フォンとヤンミョングン。しかし、次の瞬間には互いに剣を抜き、その切先を向け合う。
「太陽は天にあるものだが、天は太陽を捨てた。天命が革命に至ったことを知らせに来た」と語るヤンミョングンを、イ・フォンはただじっと見つめるのだった。
2つの太陽がぶつかり合うクライマックス
ついにクライマックスへ向けて物語が大きく展開していった19話。悪が手段を選ばないようになってきたのは、まさに追い詰められている証拠だ。
何かを察知していながら、罠に飛び込んだイ・フォン。ヤンミョングンの意味深で苦しそうな表情の意味、そしてイ・フォンの作戦とは。
次回で最終回を迎える「太陽を抱く月」。Huluにて全20話が配信中だ。
NHKエンタープライズ